菊地成孔 "服は何故音楽を必要とするのか?"
彼の、一番古くから?の文章仕事らしい『ファッションニュース』連載と、加筆その他装飾を施して書籍化したものということで良いと思います。
ファッションショーで使用される音楽について、その音楽(聴覚)とショー(視覚)の融合乖離を楽しむ(考察とか書いてあるけど、楽しむが正解でしょう)という主旨の本ってことでよいと思います。
って言うかサブタイトル「「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について」がそのまま本の中身ですね(汗)
前半の連載部分は、ショーの映像を見た感想みたいな感じで、これ自体、文章だけ(写真、イラスト等ヴィジュアルは一切無し)を読んでいてもなんもおもしろいことはなく、彼のちょっと気取った文体を楽しむくらいでしかないのですが..
後半に、パリコレ体験記と、そのときのインタビューがあるのですが、こっちはおもしろかったです。
菊地独特の軽妙な語り口と、くどいほどの繰り返し(Kanyeね)で軽さを際立たせつつ、実は非常に濃い話をすらすらとこなしていく部分は、興味深くも楽しく一気に読んでしまいました。
おそらく、この本を楽しむためには、実際のショーを見てみることが一番の近道だと思うのですが、普通の人が、ショーの現場に足を踏み入れることは絶対出来ないでしょうし..
なぁんて、youtubeで検索すると、結構ぼろぼろと映像(もちろん音付き)が出てきますので、追体験が容易に出来てしまいます。
と考えると、恐ろしい世の中になったもんだと思います。マジで
菊地成孔 "服は何故音楽を必要とするのか?"(http://www.bk1.jp/product/02981906)
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