石田幹雄 "Turkish Mambo"

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先日、近所でライブのあった石田幹雄さんのアルバムが出ましたので、当然の如く買って参りました。

正確には、2枚目のアルバムになるようですが、1枚目は自主制作的限定数量での発売だったようで、すでに入手不可能な状態にあるようです。
と言う意味では、広く一般的にはこの盤がお披露目という認識で良いと思います。

まず、メンツですが、石田幹雄(P)、Mattias Svensson(B)、本田珠也(Ds)という布陣になっています。
演奏曲は、以下の通り
1 Turkish Mambo (take1)
2 So Long Eric
3 Requiem
4 Salt Peanuts
5 Parigian Through Fair
6 I Didn't Know What Time It Was
7 Milestones
8 For Carl
9 I Got Rhythm
10 Waltz
11 Turkish Mambo (take2)
12 Amazing Grace (Piano Solo)

結構知ってるタイトルが並んでいます。
が、特に目立つのがLennie Tristanoの曲を多く取り上げていることで、(3曲だがタイトル曲は2回で)4曲も入っています。
ファーストアルバムなので、まずは演奏の良さを知ってもらうためには、知ってる曲を多く入れているのは◎だと思います。

演奏は、狂気の中に秘められた美意識的な部分が彼の魅力だと感じているのですが、そういう意味では、暴力的なところはしっかりと暴れ回り、美しいところは限りなく美しく美しく立ち回る演奏をしているので、彼の魅力はだいぶ伝わっていると思います。

選曲が、古くからジャズで演奏されているものが多いですが、その雰囲気が石田さんの演奏との親和性が高いように感じます。
とりわけ、この盤でも演ってますけどbud powellが演奏しているような曲での演奏が光っているように思います。
ゴツゴツしていながらころころ転がるようなピアノが、演奏の迫力に繋がっていて、聴いてて気持ちよいです。

これが一転して、バラードとかスローな曲では、これでもかってくらいに美しいフレーズをかましてくれますから、驚いちゃいます。
3、6、10曲目が、そのスローな演奏になっています。(8曲目のワルツな曲も美しい系です)
美しいと言っても、限りなく美しくって路線と、美しい中にもダイナミクスを織り込むってのとあるんですが、双方ともなかなかによろしいんであります..。
で10曲目が唯一のオリジナルなのですが、これ(の前半)が美しさに、妖しい魅力をはなっていて・・・グフフ。
最後のソロがこれまた美しいんです。

先日のライブでは、3人のベクトルが合っていないと言うか、ちぐはぐな感じを受けた部分もありましたが、この盤はそういう面では大丈夫なので、存分に石田ワールドを堪能できると思います。

録音も、彼のゴツゴツ感を増長させるような感じのソリッドな音で、これがまた盛り上げに貢献していると思います。



石田幹雄 "Turkish Mambo"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/2702808)

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