James Carter "Present tense"

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James Carterの新譜です。
James Carterと言うと野性的とでも言いたくなるような豪放なブローと、それにともなうフリーキーなトーンに魅力があると思っていますが、この盤では、いったいどんなことになっているのか、興味津々で買ってきた次第であります。

メンツは、
James Carter(fl,b-cla,ss,ts,bs)、Dwight Adams(tp,flgh)、D.D. Jackson(p)、James Genus(b)、Victor Lewis(ds)
と、2管編成となっています。
で、3曲にRodney Jones(g)(4,6,9)、Elifountain(per)(4,7,9)が入っています。

演奏曲は以下の通りで、オリジナルが3曲で後は他人の曲を演奏してます。
1 Rapid Shave
2 Bro. Dolphy
3 Pour Ma Vie Demeure
4 Sussa Nita
5 Song Of Delilah
6 Dodo's Bounce
7 Shadowy Sands
8 Hymn Of The Orient
9 Bossa J.C.
10 Tenderly

で、中身ですが「えらく古いスタイルの演奏だなぁ」ってのが第一印象で、スタイル的にはスウィング、ビッグバンドの頃のようなハイノートを決めちゃうような演奏。
中には、2曲目の(タイトルが示す)ように、フリージャズな演奏も入っていますし、曲中にフリーキーなソロも勿論含まれますが、全体としては、4ビート主体の古いスタイルの演奏という印象が強いです。

が、演奏の強度は尋常ならざるモノがありまして、上にも書いたとおり、4ビート主体の古いスタイルをそのまま演っているわけではなく、ソロが始まるとそこからJames Carterの、Dwight Adamsの、現代ジャズの猛攻が始まり、さすがJames Carterと唸らざるを得ない状況になっています。
誰が誰にどう煽られているのかよくわからないくらいに、全員が煽り煽られ、それはそれはスゴい演奏をしています。


とかくジャズの世界では、スタイルを押し進めた人が重要視される傾向にありますが、この盤のようにごくごく古いスタイルに則りながら
演奏の強度を思いっきり高めるってのが、潔いというか、素晴らしいというか..
とか、書くとB級って言葉が思い浮かぶのですが、決してそんなレベルでないことは断言しておきます。


良いディスコグラフィを見つけたので、紹介しておきます。(http://outbreakin.hp.infoseek.co.jp/jamescarter.htm)

James Carter "Present tense"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/2700587)

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