Joe Henderson "Double Rainbow"

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Joe Hendersonのボサノバ集です。中古盤を漁っていて、なにげなく手にとったのですが、裏を見てメンツを見て興味をそそられて買ってきました。
全部で12曲(詳細後述)入っているのですが、2つのバンドで曲を分けていることが気になった。そのメンツがもっと気になった。ということで、購入してきた次第です。ちなみに1995年の作品です。

そのメンツですが以下の通り。
Joe Henderson(Ts)、Eliane Elias(P)、Oscar Castro-neves(G)、Nico Assumpcao(B)、Paulinho Braga(Ds)
Joe Henderson(Ts)、Herbie Hancock(P)、Christian Mcbride(B)、Jack Dejohnette(Ds)、

上がブラジル人バンド、下がアメリカ人バンドって位置づけだと思いますが、前者イリアーヌ、後者ハンコックのピアニストの対比、後者の凄いリズム隊の凄さを楽しめる期待、等もろもろ交錯して思わずレジに持っていってしまいました(笑)
結局の所、ただただメンツ買いってだけです。

演奏曲は以下の通り、1-5が前者のバンド、6-12が後者のバンドとなります。
1 Felicidade
2 Dreamer
3 Boto
4 Ligia
5 Once I Loved
6 Triste
7 Photograph
8 Portrait in Black and White
9 No More Blues
10 Happy Madness
11 Passarim
12 Modinha

が、皆さんフル出場ってわけではなく、曲によってメンツの増減があるので、以下にまとめます。

  TS P G B Ds 
1 * * * * *
2 * * * * *
3 * *   * *
4 * *   * *
5 *   *   

  TS P B Ds 
6 * * * *
7 * * * *
8 * * *  
9 * * * *
10 * *    
11 * * * *
12 *   *  

こうなると、前者バンドと後者バンドの比較聴きってことになります。
実は、最大の関心事は、イリアーヌが対バンを知っていたか?なのですが、知っていたら相当気合いの入った演奏をしているんじゃないか?という勘ぐりをしていたのですが..

前者バンドは、陽性の難解でないボサノバを軽く(リラックスして)聴かせるというスタンスのようで、初夏の朝のようなすがすがしい気持ちで聴いていられるような演奏を繰り広げています。
特に、演奏者の誰かを指して何かを言いたいような感じではないです。(とか言って、3曲目のピアノソロは、いいかもしれない)
ところが、そんな気分で気持ちよく聴き進んでいくと、途中で異様な雰囲気につつまれるんです。
これが6曲目なのですが、聞き流す体制で聴いていると6曲目が始まってもあまり違和感なく聴き進められるのですが、2分30秒くらいから始まるピアノソロが1分くらいたったところで、ハンコック独特のフレーズが出てくることでいやがおうにも、ムムムッっとなり、バンドが変わってることに気付くわけであります。

ということで、ここから演奏がかなりハードになってまして、ボサノバなので変拍子とかフリーなアプローチとか咆吼、丁々発止とかってことはないのですが、ハンコックとデジョネットが、ちょこっちょこっと校庭の裏で悪さをするが如く(意味不明)変なことを演ってます。マクブライドは大人しい感じ。
特に、ハンコックは人気急上昇中のイリアーヌが対バンにいることを知っていて、対抗心を燃やしていたんじゃないっすかねぇ

"Double Rainbow"とは良く付けたタイトルだと思います。2つのバンドが虹を織りなしているってことでしょうからね。

Joe Henderson "Double Rainbow"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/332943)

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