E.S.T. "LEUCOCYTE"

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エスビョンスベンソンが、ダイビング中の事故で亡くなってしまいましたが、その亡くなる約半年前に録音されていたものが遺作としてリリースされました。

 録音  :2007/01/17,18(sydney)
 Mix   :2008/03
 Masterd :2008/05
 享年  :2008/06/14

そのまま生きていたらいつ頃、リリースするつもりだったのでしょう。
1年1作程度のペースは持っていたようなので、本年秋にはリリースするつもりだったんでしょうかね..


演奏曲は、以下の11曲。おそらく全て彼らのオリジナルだと思います。
1 Decade
2 Premonition - Earth
3 Premonition - Contorted
4 Jazz
5 Still
6 Ajar
7 Leucocyte - Ab Initio
8 Leucocyte - Ad Interim
9 Leucocyte - Ad Mortem
10 Leucocyte - Ad Infinitum

演奏内容ですが、その前にメンバークレジットを書き写しておきます。
 Esbjorn Svensson (Grand Piano, Electronics, Transistor Radio )
 Dan Berglund (Double Bass, Electronics )
 Magnus Ostrom (Drums, Electronics, Voice )
この内容からもわかるように、電気的操作の度合いがかなり高くなっていそうな気配が濃厚に見えてくるのですが、実際に聴いてみると..


1曲目こそ、エフェクトなしピアノだけの小品となっていますが、2曲目からはピアノにエコーをかけ、エコー部分にかなりのDistortionをかけたような音になっていまして、エフェクト/電子音の重要度比率をかなり意図的に上げてきていることが判ります。
4曲目のJAZZなんて、正統JAZZに回帰かと思ったら、逆で電子音だらけのかなり先鋭的な作品でした。
もう、ピアノトリオとして聴ける範疇を超えて、新しいジャズを模索するユニットとして機能しだしている感じです。

陰鬱とした雰囲気で始まるものが多いが(曲の)後半になるに従って、だんだんと盛り上がっていくような感じの作りの曲が多いですかねぇ。
これが、e.s.t.の真骨頂とは言え、さすがにうまいなぁと思わせてくれます。

全体的に陰鬱とした(というか重たい雰囲気の)感じの楽曲が多く、一聴の親和性は低いけど、何度か聴いていると聴く者をグイグイ音世界に引き込んでいくだけの力量は持っていまして、やはり侮れないユニットだと、あらためて感じさせてくれます。

ただ、初期の作品と較べたらだいぶ雰囲気が変わってきているのも事実でこの先どう進化していくのか、ちょっと怖いようなちょっと興味津々のような  . .  先はないんですけどね..(合掌)


E.S.T. "LEUCOCYTE"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/2764988)

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