Donny McCaslin "Declaration"

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Donny McCaslin盤は、以前に"Recommended Tools"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a56289259.html)というトリオ作を購入してましてこの盤が2枚目の入手となります。
が、前作が特に満足度が高かったわけでもないので、期待感高く発売すぐ入手というわけでもなく、なんとなくズルズルしつつ、そう言えば出ていたなぁてな感じでの入手でした(汗)

メンツは以下の通り、やけに多いなぁ。前作の文章で小編成を期待したいなんて書いていたので、ちょっとアセっちゃいますね。
が、よく見ると5人編成(sax,piano,guitar,bass,drum)が基本形で、そこにPerが1曲。ブラス隊が5曲+αに参加ということのようです。
Donny McCaslin(ts,a-fl) Edward Simon(p,org) Ben Monder(g) Scott Colley(b) Antonio Sanchez(ds) Pernell Saturnino(per)
Alex Sipiagin(tp, flh) Chris Komer(fhr) Marshall Gilkes(tb) Marcus Rojas(tuba,bass tuba) Tatum Greenblatt(tp)

演奏曲は以下の通り。全部Donny McCaslinのオリジナルのようです。
1 M
2 Fat Cat
3 Declaration
4 Uppercut
5 Rock Me
6 Jeanina
7 2nd Hour
8 Late Night Gospel

で、聴き始めてこの盤は凄いとウナってしまいました。
まず、Donny McCaslinってこんなに良かったっけ??と疑問符たくさんつけつつ、演奏に聴き惚れてしまいました。
様々なテクニックを駆使して抑揚に富んでいながら、過剰な演出にはならず、でもしっかり訴えかけてくるものがあるとでも言うんですかねぇ。前作を聴き直さねば..。
次、残りのフロントの2人Edward SimonとBen Monderが、出番はあまり多くないのですが、ここぞとばかりに気合いの入ったソロを繰り広げていて、これまた満足度が高いです。
でもって、リズム隊は文句なしの陣容なので文句なし。

ブラスが、あまり鋭い音のするものを多く起用していないのが効いていると思うのですが、やさしく包まれるような音の塊(というか音の雲か)が漂っている感じが非常に心地よいものがあります。
これは、あまり早い曲を演っていないというのも大きな一因になっていると思います。この早い曲が無いというのは、各人のソロがじっくりしっかり練り上げられる余裕を持たせているというところもあると思えまして、それがフロント3人の評価を上げている可能性も否定できません。

全体的に、ブラスの入った曲と入ってない曲が入り乱れているのですが、続けて聴いてて特に違和感を感じることなく、トータルアルバム然とした佇まいを感じさせるものがあります。
なので、1曲ごとに聴いても、それぞれの曲の良さが充分に感じられます。捨て曲の存在も感じられません。
ですがこの盤は"この1曲"という聴き方よりはアルバム全体(せめて、数曲はまとめて)聴くことで真価を発揮するようなところがあるんじゃないかと思っているのであります。


Donny McCaslin "Declaration" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/3621517)

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