Sean Wayland "Pistachio 2"

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昨年9月の新譜試聴会で知った、Keith Carlock、Tim Lefebvreの強力リズム隊を従えたアルバム"Pistachio"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58658848.html)の続編がリリースされていることは本年3月初頭の中年音楽狂さんのblogで知りました。
まさか、第2弾がこのインターバルでリリースされるとは思っても見ませんでした。
ということで、なかなか見つからなかったのですが、ようやく見つけて購入することが出来ました。

メンツは以下の通り。複数のユニット構成になっていますが、credit上はドラマーで分割しているようです。
 Keith Carlock参加が、1,2,3,5,7,9,12で2008年NYでの録音で、James Muller、Tim Lefebvreが参加
 Nick Mcbrideが6,13が2004年Sydneyでの録音で、James Mullerが入った3人
 Andrew Ganderが8で、これも2004年の録音でこれはデュオ
 4はAdam Rogersとのデュオで録音年不明
 10が宅録でMark Ferverとのデュオで録音年不明
 11がソロで録音年不明
の6つの音源から構成されていることになってます。
楽器別に並べると以下のようになります。
Sean Wayland(P)、
Adam Rogers(G)、James Muller(G)、Tim Miller(G)、
Tim Lefebvre(B)、Matt Clohesy(B)、
Keith Carlock(Ds)、Nick McBride(Ds), Andrew Gander(Ds), Mark Ferber(Ds)

曲名は以下のようについてます。全部オリジナルなのでありました。
1.Ape
2.Shuffle Boy
3.Out They Go
4.Mathematics
5.Backbeat
6.You Can Get It Writing Music
7.You Can Feel It Coming On About Four
8.In Colour
9.Stanley Street
10.Superrarc
11.Learn
12.This Is Proof
13.Some Pulp

1つ目がAdam Rogersとのデュオ。ちょっと牧歌的でかつ内省的な雰囲気を持った曲でなかなか良い作品。8分あるけどしっかり聴かせます。
2つ目が、6曲目はかなり無機的な音作り。13曲目は軽妙なノリでなかなか良い演奏だが途中で切れるように終了。
この曲がしっかり完結していると良かったのにと残念な気分になります。
3つ目がAndrew Ganderとのデュオで、ちょっとスペイシーな雰囲気を持った16beatの曲。おそらくSean Waylandが後から音を足していると思います。
4つ目が宅録と記載があるMark Ferberとのデュオですが音は悪くないです。1分30秒くらいでフェードアウト。2人でのジャム音源なんでしょう。
5つ目がソロ。作曲したというより、インプロビゼーションみたいな感じです。内向的な思索の結果みたいな感じに聞こえます。
6つ目のKeith Carlock、Tim Lefebvreが入ったユニットが前作"Pistachio"とおそらく同時期に録音した残りと推測します。
前作ほどSteely Danな雰囲気は希薄になっていますが、それでも2曲目のハーモニーは意識してる感じがわかります。
全体にリズムの強烈さ強力さに頼ってる感じにはなっていない(逆にいうと、ちょっと物足りない)感じではあるが、彼らのユニットだけを聴いていたほうが散漫にならないし満足度は高いです。
とは言ってもそれ以上に"Pistachio"の方が良いのは言うまでもないっす。

ということで、前作"Pistachio"がそこそこ売れたので、そのときの残り音源に過去からのストック音源で使えそうなのを(部分でも)寄せ集め、さらに数曲新録を入れて1枚に仕立てたというのが正解でしょう。
1つ目と6つ目のユニットだけ。ぎりぎりこれに5つ目(ソロ)を足しただけでアルバムにしていた方がポイントは高かったと思います。
商魂たくましいとも言えますが、流通(の無さ)を考えれば若干の良心の呵責も多少はあったのかな?


Sean Wayland "Pistachio 2" (http://www.amazon.co.jp/Pistachio-2-Sean-Wayland/dp/B00332DKXQ/)

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