平井庸一のジャズ・ギター列伝 Vol.1 「ジム・ホール 1960~1970」

4/24からはじまりましたギタリスト平井庸一氏によるギタリスト研究(?)シリーズ。年4回開催のペースで行われる予定です。


記念すべき、第1回目はジムホール。しかも1960-1970の11年間だけです。
解説スタイルは、基本的にSP横に平井氏がCDたくさんとともに陣取り、自信でCDをセット、再生しながら解説を加えていくようなスタイルでの進行です。
アナログはカウンターの装置だけなので、そちらはマスターが担当します。
途中、装置不具合ですべてカウンターで操作になりましたが..

19:00をちょっと過ぎたところでスタート

はじめに、ジムホールのスタイル変遷について簡単に説明があり音源で比較を行った後、時系列と言うよりは、おおざっぱなジムホールのスタイルごとに解説とエピソード開陳(ジャズにおけるギターの役割のような話、スタイルの変遷の一端、使用している弦の話などを音色にどう影響を与えるか)等、様々な話を交えながらの解説は興味深く聞くことができました。



Sonny Rollinsのグループでの演奏をかけながら、Rollisバンド参加の経緯、サックスとの共演と、双方が双方に与えた影響の話など。

Art Farmerのグループでのそれぞれの音色に関わる役割分担のような話。ギターとの音色、音量を融合させるためにフリューゲルホーンを多用した。 というような話。

Gary Burtonとの録音(Gary Burton "Something's Coming")では、当時のBill Evansトリオのリズム陣を起用し、VibとGでBill Evansの音を再現しようとしたのではないか? というような話。

名盤"Undercurrent"のできばえと影響の大きさ。ギターとピアノのデュオ作というのは、この盤を端緒にいろいろリリースされ、またライブでも演られているが、この盤を凌駕するほどにしっくりとおさまった作品が出てこない。
ピアニストとギタリストの役割分担が肝要にも関わらず、オレがオレがのテクニックの応酬では音楽面での高度な融合が期待できるわけでもなく、不満足な作品ができあがる傾向が往々にして強い。
何でもできてしまうピアニストがどこまでギタリストに仕事を任せられるかが重要になってくるが、そういう意味でもbill evansの偉大さを感じることが出来る。
近年では、一連のJohn Abercrombie / Andy Laverneが唯一の成功作だと思っている。 というような話。
そのJohn Abercrombieがバークリーの学生時代、Keith Jarrettが学友で、この盤のような演奏がしたいと、日夜二人でセッションしていた。 というような話。

珍盤になるのか、Ornette Coleman、Eric DolphyとBill Evans、Scott LaFaroにJim Hallが絡んだ作品の紹介(John Lewis - Gunther Schuller - Jim Hall Orchestra plus The Contemporary String Quartet)から、前衛に傾倒した作品の紹介。 <前衛演ってたのからして知りませんでした。



他にも、Gerry Mulliganとの共演、zoot simsとの共演をしたJimmy Raney盤、paul desmondとの共演、vocalのバッキングをする演奏、初来日時の録音などを交えながらあっというまに10時過ぎ。
「この後・・・でソロ活動が活発になっていく。」という言葉で大団円となりました。

一部、単調な部分もありましたがそれでも興味深い音と話であっという間に3時間が過ぎ去ったのでありました。
まだまだ、音源はたくさん持ち込んでいたようなので、本当はまだまだかけたい盤と楽しい話があったんじゃないか?と思いますが、これ以上はやるのもきくのも疲れてくるので。。
また、今回楽器を持ち込んでいなかったので、実例を交えてみたいなことは無かったのですが、次回からは楽器も持ち込むような話になってました。

1回目と言うことで、メジャーな人選でしたが、この後平井さんの奥深い知識からとんでもなくマイナーな人から、隠れ名人。あるいは、凄い短期間に区切ったシーンの紹介とか いろいろな切り口でいろいろな話を聞けそうで楽しみです。


聴衆もコンスタントに10名程度はいたので、次回は必ず開催されるでしょう。7月くらい?


jim hallの濃いblogを見つけたので、無断紹介(http://jimhall.blog94.fc2.com/)

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