Pat Metheny "Orchestrion"
今回は、音楽的にはCDで聴いた限り、まんまpat metheny (group)な音のようなので、演奏を集中して聴取したいという欲求よりも、完全自動演奏装置との共演?ということで、そのからくりを見物に行くという欲求に従っての参戦となります。
17:30開場 18:00開演だったのですが、何をどう間違えたのか、18:00開場と思いこんでいまして、開場入りしたのが18:00ほんのちょっと前。
てんで余裕で、お店冷やかし、知人探し、1階席をひと回りをして、トイレ行って、さて自分の席に向かおうかというところでなんとなく気になってチケットを見て、30分間違えたことに気がついたというていたらく..(汗)
結果、席(今回は3F)についてちょっとしたらすぐ始まったようなイメージでした。
今回、チケット購入時に席を指定できたので、できるだけ死角を作りたくなくて真ん中の席で後ろへ後ろへと探していたら、結局3Fになってしまいました。
結果、双眼鏡を持っているというのもありますが、見下ろす形になるのでpat methenyの足下の挙動から楽器の動作まで大半を眺めることが出来ました。(これを結果オーライという)
最初、約30分程度、ソロギターでの演奏。3台のギターを使っての3曲ということになります。1曲目は思いつきで過去の曲をつらつら弾いていたようです。
ソロの最後の曲から、ハイハットの自動演奏を交えて、次の本番への序章を予感させてくれました。
本人が本人の前座をしているようなイメージなんですかね(笑)
この後、かかっていたカバーを取り去って大がかりな装置の披露となりましてコンサート本番のスタートとなりました。
壮大な自動演奏装置ですが、完全な自動ではなくてギターが各種スイッチになっていてギターを利用して操作をしている。
ある楽器で1つのフレーズを(ギターを使って演奏し)ループさせ、次の楽器の音を重ねをずっと続けて厚い音を作り込んでいく。
それを足下(と手用)のスイッチ(足下2台でそれぞれ10前後のスイッチがついているが、全部を使っていなかったような気がする)で、一旦停止、スタートなどのコントロールができている。
という感じらしいのですが、それ以外にもパットが操作しないで動き出す部分も散見されましたので、事前仕込みとか、裏方の操作とかも結構あったんじゃないかと思います。
全体に自動演奏部分の音量が低いんでしょう。アンプ増幅の音という感じが至るところにでてしまって、それがせっかくの生音演奏であるのにちと残念でした。
それと、きっと強アタック音(スネア、シンバル)は、あまり得意じゃないんでしょう。選曲にもあまりドラムが強い演奏は持ってきていない印象を受けました。
音量バランスも、まだまだ改善の余地がありそうな感じですかねぇ..
駆動がパットのギター演奏にあることから、すべての音が生演奏でありながら1人で演奏ができてしまっているところが最大の特徴ということになるんでしょう。
1人で多重録音をしてアルバムを作るようなことは昨今では珍しいことではありませんが、それを生で演っちゃおうってのが凄いというか呆れるというか..
現在は、自動演奏の域を出ていないことはパットの演奏で音を組み上げていくことから自明なので、ジャズの(丁々発止的)緊張感を醸すにはいたってはいません。
この究極は、きっとパットの頭脳を組み込んだ人工知能との共演にまで行き着くのではないっすかね。
PMGの次作では、4人+この装置で作り上げ、ツアーもやるんじゃないか?とか、もしかしたらこの後の欧州ツアーもこの編成を考えているのか?とか妄想はふくらみます。
しかし、この大がかりな装置を解体して運んで、開梱して組み上げて、全てが完全に動く状態を半日?程度で作り上げるというのは尋常なことではなかったろうと思います。
半年の間には、初期不良もあるだろうし、故障もしただろうし、経年の劣化もしただろうし、裏方さんにはお疲れさまのひと言に尽きます。
2つのクエスチョンがある「クレイジーになっちゃったんですか?」「どのような仕掛けになってるんですか?」とMCで話していましたが、クレイジーと言うより変態でしょうね(笑)
いっそのこと、上にそびえていた"パイプオルガンも一緒に演奏しちゃえば良かったのに"と思ったのは私だけではないはず..
最後はアンコールに3回応えてくれて、3時間強のてんこ盛りのコンサート終了となりました。 圧巻
アルバム(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59090701.html)
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