Stanley Clarke "Stanley Clarke Band"

イメージ 1

Stanley Clarkeが上原ひろみを擁したバンドでの2枚目のアルバムということで、前作(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58890764.html)がなんだかなぁ感が強かったのでリベンジの意味も込めて、速攻購入(前作はかなり遅れて入手)しました。

メンツをよく見ると、上原さん半分弱の参戦なんですね。ちょっとがっかり。大ざっぱには、ベース、ドラム、エレピのトリオがいて、フロントにギターだったりピアノだったりが旋律楽器として参加するようなイメージになるようです。
エレピはリズム楽器、エフェクト楽器という位置づけですね。
ということで、メンツは(コアな部分しか書いてないですが)概ね以下の通り。
Stanley Clarke(B)、Ruslan(Syn,P)、Ronald Bruner Jr.(Ds)
Charles Alture(G)1,2,3,7,8
Hiromi(P)6,8,9,10

演奏曲は、Stanley Clarkeが6曲で、他にいろいろな人の曲を1曲ずつという配列のようです。
1 Soldier
2 Fulani
3 Here's Why Tears Dry
4 I Wanna Play for You Too
5 Bass Folk Song No. 10
6 No Mystery
7 How Is The Weather Up There?
8 Larry Has Traveled 11 Miles And Waited A Lifetime For The Return Of Vishnu’s Report
9 Labyrinth
10 Sonny Rollins
11 Bass Folk Song No. 6 (Mo Anam Cara)

演奏ですが、Stanley Clarkeお得意分野に戻ってきたと言うか、古くからのStanley Clarkeファンをしっかり納得させる、高音基調のベースが印象的な、ちょいと大仰で、ちょいと古さを感じさせるゴリゴリのフュージョンサウンドが堪能できます。
なんて、元々あまりStanley Clarkeのリーダー作は聴いていないので、アレなんですが、つたない経験のなかではしっかりど真ん中であるとは言えると思ってます。

前半は大仰な雰囲気が強い演奏が多めで、後半は演奏を楽しめる感じの曲が多いイメージでしょうか。
後半に上原の出番が多いので、彼女の演奏を楽しんでもらいたいというStanley Clarkeの意識の表れではないかと推測しているのですが..。
上原参加の4曲は、アップテンポで陽性(9曲目も陽性か?)な旋律のなかなか気持ちの良い楽曲で、上原もしっかりたっぷり弾き倒していて、上原目当てでもこの4曲でそこそこ満足できると思います。(できました)

前作と今作とを聴いたうえで、Stanley Clarkeとしてはジャズピアニストとしての上原を聴いてもらいたいという希望というか期待があるんじゃないかと推測しました。
が、Stanley Clarke自身の音楽性とどう折り合いを付けるかがうまくまとまりきっていないというのが前作の完成度であったのかと..。
ということで、前半のStanley Clarkeでございますな演奏でStanley Clarkeのアルバムであるという主張(とある程度の売上げキープ)をするとともに、その雰囲気から大きく違わない範疇でジャズに振ったところで彼女の魅力と自身の音楽性との折り合いをつけたということなんじゃないかと推測します。
(とはいえ、前半と後半はあまり違和感を感じずに繋がっていますけどね。それが7曲目の効用かもしれませんが)

ということで、上原が固辞しない限りまだまだこの2人のコラボは続くと推測しています。


8曲目のタイトル"Larry Has Traveled 11 Miles And Waited A Lifetime For The Return Of Vishnu’s Report"
11's house, miles davis, lifetime, retuen to forever, mahavishunu, weather report等の名前を強引に織り交ぜたタイトルらしいのですが、まぁ強引なこと(笑)


Stanley Clarke "Stanley Clarke Band"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3820715)

この記事へのコメント