Ted Brown "Live At Pit Inn"

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平井庸一さんのトリスターノ探求シリーズが非常に良かったことが、誰かの琴線に触れ、Ted Brownさんの初来日を実現させたんじゃないかと勝手に想像しています。
橋爪さんはこのライブのあいだ中べったりとTed Brownさんにくっついていろいろ質問しまくっていたそうです。

タイトル上はリーダーがテッドブラウンになっていますが、実際は平井バンドにゲスト参加しているという位置づけが正解だと思います。
メンツは以下の通り。平井バンドの前作"MARIONETTE"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58718058.html)と同じ面々+Ted Brownと言う布陣になります。

Ted Brown(Ts)、平井庸一(G)、増田ひろみ(As)、橋爪亮督(Ts)、都築猛(P)、蛯子健太郎(B)(1-5)、カイドー・ユタカ(B)(6-9)、井谷享志(Ds)

1 Big Foot
2 Bernie's Tune
3 These Foolish Things
4 Yardbird Suite
5 Subconscious Lee
6 Lennies
7 Dig It
8 Jazz Of Two Cities
9 On A Slow Boat To China

基本的にTed Brown来日に合わせて、昨今のクールジャズの日本代表としての平井バンドのライブにゲスト参加したと言う位置づけにであっていると思います。
ということで、演奏形態は特に凝ったアレンジを施している感じはなく、テーマ(1人だったり、ユニゾンだったり)を演奏した後、Ted Brownさん,平井さん,増田さん,井谷さん,橋爪さんとソロをまわして、テーマに戻って終了というような、大ざっぱなイメージは全曲に踏襲されています。
当然、ソロの順番が変わったり、増減があったり、4バースが入ったりと曲毎にいろいろな趣向はありましたが。。
とはいえ、Ted Brownさんの露出度の高さはピカ一で、盤全体で縦横無尽に個性を発揮しています。
Ted Brownのクールスタイルの演奏に加齢が功を奏した枯れた味わいが付加された渋い音色は一種異彩なものを感じさせ、先に記した露出の高さとあいまって印象的です。

旋律楽器が、3管+ギター+ピアノ(+ベース)と多い上に、Ted Brownの表出が高いので、各人の活躍の場は限られるのは仕方ないでしょう。
その分、残念ながら橋爪さんが同じ楽器で割を喰ってるのはいたしかたないところか..
当然、枯れた渋さのTed Brownに対して草食系の若さを醸す橋爪さんって感じか と比較もできますが..

そこが聴きどころではないので全然かまわないのですがテーマのユニゾンが微妙にズレまくってるところがご愛敬。
先日の、"No Name ・・""Fareast ・・"と比較するとその緩さが (^^)

平井バンドの3枚のなかでは、この盤が(ゲストがゲストなので)一番売れているような話でしたが、個人的にはまずは1枚目を聴いて欲しいと感じております。


Ted Brown "Live At Pit Inn"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3796728)

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