藤川義明 "イースタシア オーケストラ"

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この盤は広瀬淳二さんを全部聴く会で、聴かせてもらって、イースタシア オーケストラと言う名前はもちろん知っていましたが、なかなか食指が動かなかったところの背中を押してもらった感じです。
もっとも、まだ普通に買えると言う状況であることを全然期待していなかった(生活向上委員会はかなり入手困難だと思います。)ので、真剣に探そうともしていなかったのも、嘘ではありません(汗)
こういう盤は、琴線にひっかかったら容易に入手できるうちに入手しておくべきであるのは間違いないと思うので、ちょっと安くなっていた新品をポチッと購入しております。

84年に東ベルリンで行なったコンサートの実録盤となります。
生活向上委員会大管弦楽団(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a8022528.html)がリリースした2枚が以下の通りYMO勃興期と重なっておりまして
 1枚目が"THIS IS MUSIC IS THIS"で1979
 2枚目が、"ダンス・ダンス・ダンス"で1980
でもって、渋さ知らズが1989年結成ということなので、その間を補完するフリー系ビッグバンドということになるんじゃないかと思っております。


メンツも梅津和時、広瀬淳二、片山広明、翠川敬其、早川岳晴、豊住芳三郎と、中央線系の面々が揃っておりでもって片山さんは、渋さのコアメンバーなので直線的に、生向委->イースタシア->渋さ とつながっている感じがありありと見えてきます。

演奏曲は、下記6曲。みな藤川さんのオリジナルのようです。
1 Bold And Able
2 Ladiga
3 Divine Gift ~ Yellow God
4 Only For Life
5 Never Say Die
6 Tribal Chief

ということで、演奏はそっち系というひとくくりでも済んでしまうところであります。
選んでいる曲調には、変遷の過渡的のようなというか、初期"渋さ"の選曲に近いような と感じられる部分があります。
"渋さ"は演奏だけのバンドではないので、そこに個性を出しているってことで納得できますが、演奏だけを大ざっぱに見れば正統的延長線上に位置づけられるんだろうなぁとは感じられます。

かけ声が効果的に使われている曲があったり、ベースとのコールレスポンスとか、聴きどころも多くあり中央線系フリージャズ(ビッグバンド)が好きな面々には、充分満足できる演奏が並んでおります。
tokyo slim(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59990223.html)が新しい録音であることを考えれば、特に古さとか感じませんし..

聴衆もかなりノリノリで、欧州で日本のフリージャズが高く評価されていたことが充分感じられます。
聴衆がノると演奏も盛り上がる というのも演奏の良さに貢献していることでしょう。


近年の渋さが、演奏をスローにしたり、勢いだけで聴かせるバンドではなくなっている(、勝手に思ってる)傾向を考えると、そのうっぷん晴らしのtokyo slimだとしたら、ビッグバンドでも勢いを増強したものが出てきても良いということなのでしょうか..?

はっ、アケダイロー・オーケストラってそれだったのか??


藤川義明 "イースタシア オーケストラ" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/1925099)

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