Esperanza Spalding "Chamber Music Society"
Esperanza Spaldingは、前作(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59631520.html)からのおつきあいとなります。
女性ベーシスト数人(Tal Winkenfeld, Linda Oh, 江野口美穂)が台頭している中、その筆頭格は彼女ではないかと思っております。(なので、個人的には歌無しの演奏が聴きたいと..)
メンツは、下記3人に弦楽器が数人 さらにVoice他がゲスト的に入るような感じです。
メンツではTerri Lyne Carringtonの参加が良いですね。個人的には久々に聴く彼女のドラムになると思います。
Leo Genoveseと言う人は過去聴いた記憶がありません。
Esperanza Spalding(Vo,B) Terri Lyne Carrington(Ds) Leo Genovese(P)
演奏曲は以下の通り。オリジナルが7曲で、その他4曲という内訳になるようです。10曲目がAntonio Carlos Jobimなのが個人的には気になるところでしょうか..。
1 Little Fly
2 Knowledge Very Small
3 Really Very Small
4 Chacarera
5 Wild Is The Wind
6 Apple Blossom
7 As A Sprout
8 What A Friend
9 Winter Sun
10 Inutil Paisagem
11 Short And Sweet
演奏ですが、Esperanza Spaldingはベーシストでありますが、その前に歌が前面に出てくるのは自明なところでありますが、本盤も当然のごとく全曲歌入りとなっています。
若干重めの曲調の曲が多いイメージで、爽やかな感じとか、疾走感のあるとかそういう感じはあまりない印象です。
そういう曲調にしたかったから、弦を入れているのかもしれません。(特に前半)
歌入りで歌詞もしっかりあるんだと思いますがかなりVoice的な活用が多く、スキャットとは言わないが、アーとかウーとかラララみたいな感じの部分が多いですかねぇ。
聴いていてそのVoice, Vocalに耳を引っ張られている部分が多いのですが、実は頑張って演奏に注力を持っていくと、(それでも、まだ弦楽器とか障壁があるのですが)なかなか良い演奏が聞こえてきます。
特筆すべきが2、9曲目のソロを筆頭に良い味を出しているピアノで、Kenny Kirklandばり(言い過ぎか(汗))の良いソロに要所を抑えた良いバッキングと、基本的には脇役であるとはいえ表に裏にと八面六腑の活躍をしてくれています。
前作でも彼が弾いていたようですが、記憶にないなぁ(汗)。2003年にリーダー作を出したきりのようですが、その後はあまり前面には出ていないんでしょうかね..。
Terri Lyne Carringtonのドラムが全曲で前面で活躍ってわけではないのですが、重めの演奏にビートを効かせて軽く感じさせるカンフル剤になっているような印象。
Esperanza Spaldingのベースとあいまみえてアップビートな演奏になると得も言われぬ気持ちよさに包まれます。
そのピークが8~9曲目にあって、それまではここを聴くための前座と化していると言ったら怒られると思いますが..
全体としてはしっかりじっくり聴くようなアルバムに仕上がっていている感じで、後半の盛り上がりにかけて全体を一気に聴くような構成になっているんじゃないかと思いますが、後半を楽器主体に聴くほうが魅力凝縮的に良いんじゃないかと..。
Esperanza Spalding "Chamber Music Society"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3859066)
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