Charles Lloyd "Mirror"

イメージ 1

ここのところ、落ち穂拾い率が高いです。皆さんの年間ベストから、こぼしちゃぼったいないものを拾っているのでご容赦ください。
新譜も着実に買ってはいるんですけどね..

この盤は、3回目の新譜試聴会(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59882641.html)で聴いているにも関わらず、そのときは買うまでに至らず、2010年のベストで皆さんが挙げていたのを見て、ようやく重い腰をあげた的に買い込んできたものになります。

メンツは、御大Charles Lloydに、昨今話題の若手中堅がサポートに入っているような布陣となります。
サイドメンだけでも買えるだけの陣容ではありますね。
Charles Lloyd(SAX)、Jason Moran(P)、Reuben Rogers(B)、Eric Harland(Ds)

演奏曲は、オリジナル4曲、モンク2曲、Beach Boysが入っての全部で12曲となっています。
1 I Fall In Love Too Easily
2 Go Down Moses
3 Desolation Sound
4 La Llorona
5 Caroline, No
6 Monk's Mood
7 Mirror
8 Ruby, My Dear
9 The Water Is Wide
10 Lift Every Voice And Sing
11 Being And Becoming, Road To Dakshineshwar With Sangeeta
12 Tagi

PLAYを押してから最初の一音がでるまで微妙に間が空くこととその一音目から"軽く聞き流すんじゃないよ"と諭されているような感じを受けまして、一筋縄じゃいかない感じを受けます。
が、曲のテンポを不用意に上げないところで、渾身の滋味溢れる音に耳を傾けていると、完全に曲を聴くと言うより演奏を聴くという体制に、自然と聴く側ができあがっていく感じになります。

Charles Lloydの渾身の滋味溢れる音に、各人が寄り添うような演奏を繰り広げていて、それが心に刻み込まれていくように、音楽が体に入っていくというか。。
あまり、同時に発せられる音が多くなりすぎないようにコントロールされているからなのか、この寄り添うようなという言葉がピッタリの演奏が続きます。

基本、演奏を聴くような感じで音楽と対峙することになるわけですが、演奏曲を見てわかる通り、テーマを知っている曲が多いので、演奏自体主旋律を多用しているようなことはないのですが、曲によって正面から対峙し、ある曲ではかするように主旋律が顔を出すと、この主旋律が出てくるところでの聴く側に気分の変化を計算したかのような、
・・この塩梅も絶妙で唸らされます。

5曲目でなぜかBeach Boysなのですが、これがまた良い感じで、ロックからの曲ですが、旋律を大きく崩さない演奏ではありますが、アルバム全体から浮くことはなく、心揺さぶられる演奏になっています。

全体的に、御大以外の個人技が映えるような場面はほとんどないので、個別にどこが**なんて言えるようなものはないのですが、それでも若手中堅の面々の演奏の絶妙さってのが、この盤を支えているのは間違いないところなんじゃないかと思っています。
たしかに、それに負けない渾身の滋味溢れる音というのがあることが大前提ではありますけどね。(圧巻)


Charles Lloyd "Mirror" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/3878335)

この記事へのコメント