山口コーイチ "愛しあうことだけはやめられない"

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山口コーイチさんのStudio Weeでのリーダー作です。
山口コーイチさんのアルバムは12月の"新譜試聴会"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60113383.html)で聴いてなんか良い感じと思いつつ、なぜか購入までは至らず。。
その後、1月の"2010年の総括"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60249290.html)で、マスターが年ベストに入れたところで、"絶対買う"と誓いを立てたのでありました。

山口コーイチさんは、最近の渋さのメンバーになっているらしく、また"TOKYO SLIM"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59990223.html)で聴いているはずなんですがこの文章にも書いていない通り、あまり印象なく。。


メンツはピアノトリオで下記3人。不破さんにつのださんって、かなり強力な布陣だと思いますです。
不破さんは、先日のスガダイローのアルバム"渋さ知らズを弾く"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59957749.html)でも4曲客演していたりと、渋さだけでも忙しそうな気がしているのに、ここのところ精力的に演奏活動をしている感じがしてます。
山口コーイチ(P)、不破大輔(B)、つのだ健(Ds)

演奏曲は
1 丘の上で
2 Trio Music
3 ネムタイオトコ
4 I Don't Need Anything
5 Vocalise
6 愛しあうことだけはやめられない
7 For One
8 Cycling Holiday

山口さんのピアノって、このアルバムを聴き始めて、一聴おそらくヘタウマ系になるんだろうなという響きを感じさせる演奏になります。
コードを弾くときはほとんどちゃんとテンポに乗った演奏をしているんですが、単音での演奏になると、ちょっと遅れ気味で横の鍵に指が触っちゃったような音が混じる感じで、これはまさにモンク的な雰囲気を感じさせる
ところが、ちょっとテンポが上がってくるとこのヘタウマな雰囲気が払拭されて違う面が現れてくる感じで、それが何かをずーっと考えていたのですが、結局はそれが中央線色なのかなぁという結論に達した次第であります。
そう言う意味では、スローなときのヘタウマ系の演奏も、そう言う意識で聴くと中央線の範疇に含まれるような感じではありますかねぇ。。

ちょっと、破綻気味(あるいはフリー)なところを感じさせつつ、ちょっと演歌な叙情性を醸しつつ、こぶし回しに似たフレーズがあらわれるような、と言ってしまえばそれまでですが、それでも得も言われぬ魅力的な演奏に思わず聴き入ってしまうところがある、なんともひしぎ波力に満ちた演奏を聴かせてくれます。
当然、ベース、ドラムが盤石な演奏をしていることが、ベースとしてあることは間違いないところだと思いますけど、この盤の主役はピアノだと思います。ピアノの魅力の魔力にはまるのが吉だと思います。

この盤のベストは最後のアップテンポな曲!!と個人の嗜好を出したい気もしますが、その前のFor Youもかなり良いと思います。


山口コーイチ "愛しあうことだけはやめられない"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3922684)

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