Donny Mccaslin "Perpetual Motion"

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Donny Mccaslinの新作です。
Donny Mccaslinは、2009年のベスト3(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58913084.html)に"Declaration" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58695731.html)を入れたくらいに、個人の演奏もさることながら、アルバムの完成度(魔力、魅力)にヤられてしまっていたので、この新譜も、かなりの期待度を持って購入してきたアルバムとなります。

メンツは以下の通り。ドラムが前半(1-5),後半(6-9)で変わってます。ピアノはUri Caineがゲスト的に3曲(4,8,10)に参加しています。
Donny McCaslin(Ts)、David Binney(As)、Adam Benjamin(P)、Uri Caine(P)、Tim Lefebvre(B)、Antonio Sanchez(Ds)、Mark Giuliana(Ds)

演奏曲は、Donny Mccaslinのオリジナルが7曲、他のメンバー関連が3曲で、計10曲となります。
1 Five Hands Down
2 Perpetual Motion
3 Claire
4 Firefly
5 Energy Generation
6 Memphis Redux
7 L.Z.C.M.
8 East Bay Grit
9 Impossible Machine
10 For Someone

曲としては、変拍子、8ビートとかなかなか高技術なものが並んでいる印象です。
楽器としては、エレピ、エレベとFusion(smooth Jazz)な編成ではあるのですが、なぜか全然Fusion臭くないところが凄いところで、これはなんだろうと考えていて、結局JAZZとFUSIONの違いってのは、演奏に力点が置かれるか技術(テクニック)面に力点が置かれるかということなんじゃないか?とか、そんなことまで思考が発展してしまいました。
で、この辺が個人的にPMGに感じている部分となんとなく似ているかなぁと感じていまして、そこが個人的に惹かれている要因の根源なんじゃないかなぁと勘ぐっています。

前半のAntonio Sanchezがドラムの部分では、ダイナミックなドラムとサックスにクールなベースとキーボードが絡むという感じ。
特にサックスがフリーキーに攻めてみたりとかなり攻撃的でドラムは、Antonio Sanchezの本領発揮的な部分とあいまって(特に3曲目の前半が象徴的)、冷や汗タラー的展開に圧倒されるわけであります。
が、全体的には勢いだけで演奏していないクールな部分もしっかり見えて、全体の雰囲気として絶妙な温度感を醸し出しています。
後半も、大きく印象が違うことはない演奏ではありますが、ドラムはがんばってんなと感じてしまうところで、前半の勢いほどの状況には至っていない感じ。
至っていないと言うと劣る印象ですが、中盤を攻撃的な面を抑えた演奏にして、最後に繋げるような構成を考えていたのかも知れません。と考えればそれはそれで納得できるかなぁとも思っています。充分良い演奏ですし..

その最後、10曲目がユリケインの牧歌的なピアノで気持ちをクールダウンしてアルバム終了となります。

なんだかんだいって、やっぱりDonny Mccaslinのリーダー作は好きです。ワタシ..


Donny Mccaslin "Perpetual Motion" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/3956308)

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