Wolfgang Muthspiel "Drumfree"

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Wolfgang Muthspielの新しいリーダー作です。彼は、"Real Book Stories"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a14670269.html)から買い始めて、その後の新譜はもちろん旧譜も気になると買うを続けています。
が、どうにも最初の印象が強すぎるせいか、そこそこに気に入りはするのですが、"Real Book Stories"を凌駕したと思わせる盤と巡り会わないのも事実という感じであります。

本作は、タイトルの通りドラムをなくしてギター、ベース、サックスという変則的なトリオでの演奏となります。
かなり、過激な編成と言えるんじゃないかと思います。
メンツは、ベースが良く知ってる人。サックスの人は多分初めてだと思います。
Wolfgang Muthspiel(G)、Andy Scherrer(SAX)、Larry Grenadier(B)

演奏曲は、下記9曲。全部Wolfgang Muthspielのオリジナルのようです。
1 Ibrahim
2 Tribal Games
3 Sunspot
4 Double Blues
5 This Is Over That
6 Ralphone
7 The Palace (To Wena)
8 Looking For Elba
9 Raumzeit

演奏ですが、良い意味でデュオが3つ同時進行している演奏っていうイメージがありまして、ギターとベース、ギターとサックス、サックスとベースというデュオでの演奏を切れ目なく聴いていると感じられます。
事実、2人での演奏という瞬間が多いと感じられるのと、3人のときもベースがギター音と重なるからか、あまり3人感が出てこないってのもあるかもしれません。
が、散漫な演奏とはまったく感じられず(だから良い意味でなんですが)実に心地よく一体となった演奏が楽しめます。

曲はスローめな演奏が多く、バトル感はほぼ皆無で2者が寄り添うような演奏(が3つ)という感じ。
北欧系の温度感低めのサックス、Larry Grenadierの低く沈むベースの気持ちよさ、そして...
Wolfgang MuthspielってこんなにPat Metheny臭いギターだったかと驚くくらいにPat Methenyしていて
 "One Quiet Night"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/1993826)か、
 "Beyond The Missouri Sky"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3654072)
でも聴いているような気分にさせられます。
Larry GrenadierもCharlie Hadenと見紛ってしまうんだから、演奏の力強さが向上しているということなんでしょう。
特に2曲目は、笑っちゃうと思います。なんの先入観もなく聴かされたら、絶対に間違います。

Pat Metheny好きは、変な意味で気に入ると思います(笑)
Wolfgang Muthspiel買いしてても、充分満足できるクオリティの演奏は楽しめると思います。

でも、その2曲目が好き(笑)


Wolfgang Muthspiel "Drumfree"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3990822)

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