John Coltrane "Ascension"

イメージ 1

コルトレーンのアセンションと言えば、ジャズを聴き始めて最初に恐怖感を味合わされるアルバムの筆頭ではないかと思っております。
しかも、聴いて怖がるのではなく、ものの本を読んで怖くなる類であるところが、始末に悪いというか..

かくいう私も、ラズウェル細木さんの漫画だったか、誰かの著書だったか良く覚えていないがこの盤は恐ろしいという刷り込みを、ごく初期にしっかり心根に刻み込まれたため、それ以来手を出すことも、聴こうという意志もまったく持たず、でも頭の片隅には"Ascension"と言う語がしっかり根付いた状態でジャズを聴いてまいりました。

ていうか、正直なところ後期コルトレーなんてほとんど怖くて手が出せない(という先入観を持った)まま今まで生きてきています。
まぁ、聴かないでも困ることはなかったわけですが、そんな状態で日本のフリージャズ(と言っても、片山さん周辺くらい)を聴き漁っていたわけでありますが、それも特に支障を感じるものでもなく・・と、これまであまり意識してこなかったのですが..

ディスクユニオン国立店が駅周辺の再開発のため閉店になるということで、安売りをしていた中でみつくろって買ってきたということで、初めてこの盤に接した次第であります。(ちなみに\500-)

この"Ascension"と言うアルバムには2種類あるらしく、当初edition1でリリースされ、その後edition2に差し替えられたらしいです。買ってきたCDはその両方が入ってるヤツでした。

メンツも耳たこでしょうけど書き出してみます。 John Tchicaiさんは、近作http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59245968.html)を聴いてます。
こうやって眺めてみると、Marion Brown、Dewey Johnsonという名前を知らないくらいで、残りの人は後々まで語り継がれる(あるいは、活躍された)ような凄い人がずらりと並んでいますね。
John Coltrane(Ts)、Pharoah Sanders(Ts)、Archie Shepp(Ts)、
John Tchicai(As)、Marion Brown(As)、
Dewey Johnson(Tp)、Freddie Hubbard(Tp)、
Art Davis(B)、Jimmy Garrison(B)、McCoy Tyner(P)、Elvin Jones(Ds)

演奏ですが、たしかにラズウェル細木さんの漫画で"ブギョー、ブギャー"としか書けないのは良く判る演奏ではありますが、それなりに昨今のフリージャズを聴いている耳には、そんなにおどろおおどろしいものではなく、普通に楽しめちゃったりするわけであります。

3TS、2AS、2TPという怒濤の管編成にリズム隊という中規模編成での一斉に好き勝手やるという構図は、実は中央線ジャズに近いものがあるんじゃないかと思って、ちょいと調べてみましたら
 生活向上委員会大管弦楽団が1Ts、3As、2Tp、2tb、2B、2Ds。
 イースタシアオーケストラが2Tp、2Tb、4Sax・・
と(渋さは多すぎますから(汗))トロンボーンが入るのが日本のバンドの特徴になりそうですが、7管に対して8管という近さは、なにかあるなぁと感じさせるものがあります。

聴いていて、一斉にメンバーが好き勝手に演奏を繰り広げるのは、国内のフリージャズで繰り広げられる一瞬に近いもの(全体としては、曲の体をなしているから一瞬)を感じてまして、しっかり影響が受け継がれられているんだろうなぁと感じさせられたのは、今後日本のフリージャズを聴くのに、なんらか感じ方に違いが出てくるかなぁ
なんて、・・・ないでしょう(笑)

この盤を作成する影響元となった、Ornette Colemanの"Free Jazz"も、久々に取り出してみようかと思ってみたり。。


John Coltrane "Ascension"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3541109)

この記事へのコメント