Bill Frisell "Sign Of Life"

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Bill Frisellの新作です。直前にVinicius Cantuariaとのアルバム(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60308007.html)がリリースされ、その前が2010年8月の"Beautiful Dreams"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59889980.html)だったので、かなり立て続け感の高いリリース頻度となります。


メンツは弦楽器3人とのカルテットという"HISTORY, MYSTERY"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58381902.html)で共演している弦楽器奏者との2枚目のアルバムと言うことになります。
Bill Frisell(G)、Jenny Scheinman(Violin)、Eyvind Kang(Viola)、Hank Roberts(Cello)

演奏曲は、相変わらずの小品たくさんという感じで、17曲となります。
1 It's A Long Story (1)
2 Old Times
3 Sign Of Life
4 Friend Of Mine
5 Wonderland
6 It's A Long Story (2)
7 Mother Daughter
8 Youngster
9 Recollection
10 Suitcase In My Hand
11 Sixty Four
12 Friend Of Mine (2)
13 Painter
14 Teacher
15 All The People, All The Time
16 Village
17 As It Should Be

しかし、編成をどう変えても、曲調をどう変えてもBill FrisellはBill Frisellでしかなく、完全なるBill Frisellワールドってのを作り出しています。
今回の弦楽器だけとのカルテットでは、それまでのオールドアメリカンな雰囲気というよりも、弦楽四重奏(クラシック)を聴いているような雰囲気になるのは楽器編成だけの問題ではないと思います。

曲としては、微妙にバロック?なんて曲とか、現代音楽(不協和音系ではないですが..)とか、ミニマルな感じの曲とか、映画音楽のような情景を思い浮かべるようなタイプとか、中には牧歌的な雰囲気が入るのもありますがとりたててクラシック感の強い曲って感じではないのです。

Jenny Scheinmanのバイオリンなんて上手いと言うよりは味があるという部類になると思うので、本来的に良いクラシックの演奏と言う感じではありません。
本来クラシックではアンサンブルでは登場しない(はずの)ギターもしっかり(そりゃ、主役の楽器ですから)主役としての演奏を聴かせてくれています。
が、全体的にはクラシックを聴いているような気分にさせられます。

収録されている曲の雰囲気が全体的に似た感じ(よく言えば、統一感のある)に仕上がっているのも印象として好感触。
それにもまして、全体の得も言われぬ不思議に心地よい雰囲気に酔いしれています。

正直なところ、前作あたりでそろそろBill Frisellの全貌が見えてきている感じがあるので、打ち切り(買わなくても良いかな?)しようと思っていたのですが、その範疇に留まっているとは言えども、かなり満足度の高いアルバムで、やっぱり買い続けなければならない存在なんだろうなと。。。


Bill Frisell "Sign Of Life" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/4026936)

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