Human Element "Human Element"

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この盤は、前評判買いと言うことになると思います。
Joe Zawinulの晩年の音世界に完全にヤられている身としては、「ジョー・ザヴィヌルをリスペクトする凄腕ミュージシャンが集まって結成された」 と言う言葉に完全に踊らされてしまったという所です(笑)

ちなみにJoe Zawinulの晩年の作品は以下のようなものがありました。
 "Absolute Zawinul"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59109371.html)
 "LAST CONCERT"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58679790.html)
 "75: Last Birthday Live!"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a55256120.html)
 "Brown Street"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a43386986.html)

メンツは下記4人です。上のアルバムを眺めたのですが、晩年の共演ははかった面々なのかなぁと..
Gary NovakはCCEBで見た名前だったと記憶してます。
Scott Kinsey(key)、Matthew Garrison(B)、Gary Novak(Ds)、Arto Tuncboyaciyan(Per)

演奏曲は、下記14曲。多いですね(笑) 皆4人のだれかの作曲と言うことで良いようです。
一部、ボーカルというかボイスというかが入っていますが、それらはArto Tuncboyaciyanの曲と詞ということのようです。(1曲除く)

1 Introduction
2 Izzy
3 Human Element
4 Speak with Your Eye
5 Onno
6 Hi Lao
7 Cut
8 Listen with Your Mouth
9 Essaouira
10 Crazy Girl
11 See with Your Ear
12 Shake It!
13 Bottom of the Mirror
14 Think About It

曲としては大半がJoe Zawinulの音世界で、ちょっとだけアフリカンテイストが少々強めの曲が入り込んできているような印象です。
冒頭がイントロ的な24秒のトラック。中間(8曲目)に短い曲(これは完全にアフリカですね)を挟んでアクセントにしています。

演奏は、Joe Zawinulの音世界と比して、怒濤のごとく押し寄せる音塊感というのが若干希薄で、その分すっきり感が出てきているので、Joe Zawinulの音楽が濃すぎるとか圧迫感が強いと感じていた人には良い感じに、エッセンスだけ享受できるんじゃないかと思います。

タイトで時に超高速で攻め立てるベースの音。演奏の骨格を形作る打楽器群。は、圧倒的なものを感じさせ、それだけで興奮させられるものがあります。
おそらく、キーボードが(いかにもJoe Zawinulなフレーズとかハーモニーとかも含めて)エッセンス抽出型の演奏をしていて、それが全体をスッキリ聴かせる全体の印象になっているんだと思います。

何よりも楽曲が実にJoe Zawinulしていて、さらにキーボード以外もここぞというときに繰り出す音やフレーズにいかにもJoe Zawinulアレンジを想起させるしかけが満載で、思わずニヤつく瞬間なんてのもあります。

較べるために上掲の盤のいくつかを聴いたので、音塊感希薄と書いていますが、実はこの盤だけを聴いていると、もろにJoe Zawinulな音世界だァ。スゲぇ!! なんて思って聴いていたくらいに雰囲気に違和感は感じません。
気持ちいいアルバムです。


Human Element "Human Element"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/4012485)

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