Prysm "Five: Live At Opera De Lyon"

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プリズムと言っても、日本の有名なFusionグループではなくて、フランスのピアノトリオのほうです。

"On Tour"というアルバムが出た頃にちょっと話題になりまして、その前後の活動が全然わからん状態だったのですが、いろいろ調べておおよその状況が掴めたというところです。
"On Tour"が1999年録音の2001年発売で、2枚目が1997年録音の1998年発売、3枚目で1999録音で発売が..
と言う感じらしい。
ということで、2001年以来活動が止まっていたわけですが約8年ぶりに活動を再開ということなんでしょう、この盤は2009年6月のライブ録音ということになります。
Pierre de Bethmannのサイト(http://pierredebethmann.com/en/concerts.html)でスケジュールを見るとまだPrysm名義のスケジュールがありますので活動は続いているようです。

メンツは、従来からのピアノトリオフォーマットに、ゲストでアルトサックス3曲、ギター2曲が加わります。
Prysmの3人は初期からメンバー変更していないようです。
Pierre de Bethmannは、Moutin Reunion Quartetの現ピアニストで、上記スケジュールでもMoutin Reunion という名前がそこここに見え隠れしています。(2011/06時点)
Pierre de Bethmann(P)、Christophe Wallemme(B)、Benjamin Henocq(Ds)
Guest: Rosario Giuliani(As:1,2,8)、Manu Codjia(G:5,7)


演奏曲は、下記8曲で、全部Prysmの3人うちの誰かの曲になっています。
1 Reflexion
2 Secret world
3 Temps dense
4 X-ray intro
5 X-ray
6 The stone cutter intro
7 The stone cutter
8 Un des sens

冒頭、低い拍手のなかベースがリズムを刻む音からスタート。ピアノがピャ~ン、ピロピロと演ったその直後にドラムがアグレッシブなビートを刻み始める。 ここまで30秒経っていません。
が、この時点で買って良かったぁ~と思わされます。このゾクゾクするようなオープニングは、何度聴いてもシビれます。くーーっ、たまらん(笑)
2曲目以降1曲目の衝撃は薄れるものの聴きどころ満載のテンション高い演奏を1ホーンカルテット、ギターカルテット、ピアノトリオと3つのフォーマットで楽しめます。
SAXが入ると骨太なサウンド、ギターが入ると少しクールで幻想感漂うような雰囲気。トリオだと3者のバトルが熱い。

Pierre de Bethmannの生ピとエレピを駆使したフレーズの多彩さに耳が惹きつけられます。
Rosario Giulianiの彼が演奏するとしっかり主役の座を持っていくが如くのソロの凄さ。
Manu CodjiaのギターはJAZZでなくFUSION系の音色とフレーズで、全体の雰囲気をがらっと変える影響力を持ちながら、全体的には違和感を感じさせない変な魅力がある感じ。
と皆それぞれに個性を発揮していてかなり良いのですが、このバンドのキモはBenjamin Henocqのドラムなんだと思います。
彼のかなりゴリゴリな音で演奏の骨格が形作られるような感じがありまして、このドラム抜きにはこのアルバムを語れないと言ってしまいましょう。

8年ぶりくらいのアルバムですが、ここまで凄い演奏をやらかしてしまうなんて、なんで解散したの?なんでそれだけブランクあるのにこれだけの演奏が出来るの?てなくらいに完全にヤられました。

ベストは・・・他にも聴きどころ満載だけど1曲目になるでしょう。


Prysm "Five: Live At Opera De Lyon" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/4011012)

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