Chris Potter & The DR Bigband "Transatlantic"

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Chris Potterの新作は、BigBandとの共演作となります。
最近、本当にBigBandとかOrchestraとか大編成をバックにした作品が、尋常でない頻度でリリースされています。
直近で、思いつくのだけでも以下のような感じ。
 John Scofield(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59606967.html)
 Kurt Rosenwinkel(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59878330.html)
 Sting(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59746658.html)
買ってないけど Jeff "Tain" Watts(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3946523)

メンツは多いのでいつものように割愛。Chris PotterのクレジットはSpecial Guestなんですよね。
Chris Potterのアルバムのふりしてますけど、DR Bigbandのアルバムというのが実体なんでしょうね。

演奏曲は、下記8曲。全部Chris Potterのオリジナルです。
1 Quick
2 The Steppes
3 Interlude
4 New Year's Day
5 Narrow Road
6 Abyssinia
7 Totally
8 Rumination

ビッグバンドのアンサンブルがかなり緻密に作られていて、隙のない演奏というのが第一印象。
曲自体も、現代ジャズらしいメロディアスでありながら、複雑な感じをとっても感じさせるもので、いわゆるモダンビッグバンドサウンドという感じに仕上がってます。
正直、Chris Potter関係なくこのBigBandサウンドだけを聴いていてもかなり満足できてしまうんじゃないかというくらいに、しっかり作られているなぁと感じさせられます。
このアレンジもChris Potterが担当しているようです。 彼はこういう嗜好なのね。
Chris Potter10 "songs for anyone"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a50300258.html)のところで「アンサンブルはちょっと映画音楽な雰囲気を感じさせるような印象」なんて書いておりますが、大筋では近いものを感じている気がします。

そこに、主にchris Potterとビッグバンドのメンバーのソロ(こっちは1曲おき)が、ガツンとしたソロを差し挟むという構成で、chris Potterも相変わらずの凄さですが、ビッグバンドのメンバーも全然負けていないしっかりとしたソロを繰り広げています。
そんな彼らに敬意を表してソロイストだけ名前書いちゃいましょうか(笑)
 2 Per Gade(G)
 4 Mads La Cor(Tp)
 6 Soren Frost(Ds)
 8 Steen Hansen(Tb)
これも上掲の作品のときに「ビッグバンドに強力なソロイストがいるような感じ」と書いていますが、まさにそんな感じ。

全体的には、モダンビッグバンドの演奏をと言う形態がしっかりできていて、そこにChris Potterがソロイストとして入っているという構成を感じさせます。
クレジット上もSpecial Guest 扱いになっていましたが、まさにそういう感じを色濃く感じます。
録音のせい(音の分離が良すぎ)もあるかもしれませんが、Maria Schneiderのビッグバンドのような雰囲気を感じるくらいに、洗練された音作りがなされています。

ということで、モダンビッグバンドとしてのサウンドがしっかりしていて、良くも悪くも特ににChris Potterを意識せずにバンドサウンドを堪能できる作品に仕上がっているということになるんでしょう。
もちろん、完成度と満足度は高いです。


Chris Potter & The DR Bigband "Transatlantic" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/4038224)

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