Blacksheep "2"

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スガダイローさんの参加しているアルバムって、実は結構多いのですが、できるだけ買って聴いてみようとは思っているのですが、スガさん結構な多作なので全部は追い切れていません。
本盤は、ライブの噂で、昨今の吉田隆一さんの演奏が凄いという噂を聴いていること、このユニットのレコ発ライブが凄い良かったという噂を聞いていて、聴いてみようと思っていた盤となります。
ということで、リリースすぐではなかったのですがしっかり買い込んできた次第であります。

メンツは、吉田さん、スガさんに、Tbの後藤さんを加えた4人。リズム無しのトリオ編成となります。
blacksheep [吉田隆一(Bs,BCl)、後藤篤(Tb)、スガダイロー(P)]

演奏曲は以下の通り。
1 時の声 - J.G.Ballardに捧ぐ
2 重力の記憶
3 滅びの風 - 栗本薫に捧ぐ
4 星の街
5 星の灯りは彼女の耳を照らす
6 にびいろの都市
7 切り取られた空と回転する断片(再演)

内容は、いかにも中央線ジャズな、少し哀愁感を感じさせたり、美旋律を持っていたりるテーマを持った楽曲が並んでおり、テーマを吉田さん、後藤さん、2人等で(と構成はいろいろですが、)奏でるところからスタート。
アドリブに移ると、ソロというわけではなく即興の応酬のようなアドリブになっていき、それでもハーモニーを感じさせる掛け合いになっている部分も多々あり、この辺のあうんの呼吸というか、個々の自己主張だけではなくユニットの一体感をしっかり感じさせてくれます。
その掛け合いがだんだん熱くなるとテンションが上がってきて、後藤さんの唸り、吉田さんのいななき、スガさんの高速鍵盤ぶったたき、とフリーキーな演奏に入り込んで大団円という大きなパターンになるのですが、このクライマックスに向かっての感情の吐露的な発展がなんとも言えず素晴らしい。
それでも、アルバム全体の雰囲気を崩さない範疇で、曲ごとの表情の違いは(当然ですが)異なっており、曲ごとの聴きどころというか楽しみは、多彩で多様な様相となっています。

スガさんの左手がリズムを刻んだり、伴奏に当たる演奏をしっかりキープしている部分が多いので、曲としての体裁はしっかり保たれていているので、リズム楽器の不在を危惧する必要はありません。
逆に、ドラムがいない自由度の高さ(リズム的な自由さ、打音によるインパクトの強さ)のほうが勝っているくらいに感じられます。

ユニットとしての音楽もさることながら、吉田さんのブローとスガさんの即興だけでも充分満足できるアルバムでありました。
この2人は、最近本当にノリにノってる感じがします。


Blacksheep "2" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/4013399)

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