Danny Grissett "Stride"
で、本作のDanny Grissettですが、これが4枚目になるようです。
これまでの3枚は、Vicente Archer(B)、Kendrick Scott(Ds)と言うリズム隊で、3枚目だけ管入りとなります。
"ENCOUNTERS"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a52404552.html)
"Promise"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a52159228.html)
"Form"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58247596.html)
これまでの紹介ではKendrick Scottが良いような書き方をしているので、ドラムが変わって演奏がどう変わるかが興味の的ってことでしょう。
そのメンツは以下の通り。
Danny Grissett(P)、Vicente Archer(B)、Marcus Gilmore(Ds)
オリジナルが3曲。ショパン、バーンスタインとその他で8曲という構成となります。
1 Stride
2 Viennese Summer
3 Etude Opus 10: No. 6 in E-flat Minor
4 Two Sleepy People
5 Close Quarters
6 Scene
7 It Takes Two To Know One
8 Some Other Time
曲としては端正に感じるものが多く選ばれている印象で、クラシックからも選んでいることから、ちょっと知的な雰囲気を醸し出そうという意図があったのかも知れません。
が、さすがにソロになって後半になるに従ってかなり熱さを増してくるところはありますので、知的な雰囲気だけで押し通そうという意図は良い意味で崩れているんですけどね(笑)
4曲目とか8曲目(は、曲がEVANSだ)とか、ちょっとEVANSを彷彿とさせる部分もあったり頑張ってるとは思うんですけど..
演奏としても、Marcus Gilmoreのシンバルレガートの多用が温度感の上昇を意図的に止めている感じがしてこの辺の扱いは、上手いんじゃないでしょうか?
Danny Grissettは、"オーソドクスな王道ピアノのアプローチの範疇"と言える演奏に大きく違いはありませんがアルバムコンセプト(?)の知的な雰囲気を維持した丁寧なソロまわしが結構印象的です。その後フレーズが早くなって温度感が上がる曲も多いのですが。。
そして、Vicente Archerが細かいフレーズをきっちり決めた多用な演奏で彩りを添えているのが、結構気持ち良さ増長剤的に効いていて好感触です。
いかにもクラシックなテーマから、温度感の高いソロへと昇華していくのが格好良い3曲目をベストにしておきます。
Danny Grissett "Stride"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/4039501)
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