Roman Ott Inner Shape / Kurt Rosenwinkel "Seeing People"

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この盤も以前はいろいろ話題になっていましたが、最近は沈静化して、中古でもちらほら見るようになってきた感じがあります。
新譜の時に買い逃していて、そのままになっていたんですが、先日中古で出ているのを見つけて、買って帰ってきた次第であります。家に帰ってみたら未開封盤でした。
もちろん目当てはKurt Rosenwinkelで5/9の演奏率ですが、以前ちょっと試聴した感じではかなり期待できそうな雰囲気だったので、安心して購入できています。
と言うメンツは以下の通り。Kurt Rosenwinkel以外は知らない人だらけですね(笑)
Roman Ott(As)、Florian Hofner(P)、Lars Guhlcke(B)、Peter Gall(Ds)
Kurt Rosenwinkel(G:2,3,5,7,9)

演奏曲は、下記9曲。6,8がジャズの古い曲で、他はメンバーのオリジナルとなります。
1 Seeing People
2 The Gap
3 J & K
4 Uncertain Times
5 Ivory
6 Serenity
7 Control
8 Good Bye
9 Orbisons Delight

Roman Ottは、ちょっとかすれた渋めの音色に特徴のあるサックスを吹きます。テクニック的には、必要充分以上のものを持っていると思います。ただ、ちょっと音を置いていくような演奏が気になる部分もあって.."創造的な"とか"感情の赴くまま"というのをあまり感じさせてくれなかったのが、ちょっと残念。
というのはKurt Rosenwinkelと較べちゃっているからかもしれません。

Florian Hofnerは曲調に合わせきれていない部分も散見されるが、綺麗な方面のソロを聴かせてくれます。
が、あまり目立つようなタイプって感じでもないですかね。
ギターが入ると奥に引っ込んじゃうのはアルバムの特性上仕方のないところでしょう(笑)

で、Kurt Rosenwinkelですが、アルバムの半分強の曲でしか演奏していないのですが、それでもこの盤の主役の座を完全に持ってっちゃってる印象です。
テーマ部分では、出てこなかったりユニゾンでサックスの裏に隠れていたりするのですが、ソロが始まると一気にKurt Rosenwinkelの個性全開という感じで、まさに"感情の赴くまま"という感じのソロをこれでもかと叩きつけてくれます。冗談抜き出Kurt Rosenwinkel恐るべしって感じです。

3曲目のスローな演奏も、5曲目のミディアムテンポで幻想感が出ている演奏も、充分良いのですが、

2曲目、7曲目、9曲目のちょっと早めの格好良い演奏がKurt Rosenwinkelの持ち味が十全に発揮されていて、個人的には◎でありました。
Kurt Rosenwinkelが不参加の4曲も、数合わせの演奏とか、凡庸な演奏になるようなことは感じません。
けど、残念ながら見劣りしてしまうのは仕方のないところでしょう。
この盤はKurt Rosenwinkelの5曲で買うアルバムだと思いますし、(Roman Ottにとっては残念ながら)その5曲で充分満足できるアルバムという位置づけなんだ思います。


Roman Ott Inner Shape / Kurt Rosenwinkel "Seeing People"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3626033)

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