山口コーイチ "Circuit"

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山口コーイチさんのリーダーアルバムです。これはたしか"愛しあうことだけはやめられない"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60377606.html)と同じ時に録音した姉妹盤だったはずです。(未確認)
あちらが良い曲を主体としたアルバムだとすると、こちらはインプロヴィゼーションを中心に構成されたアルバムと言うことになるそうです。(たしか)

メンツは、前作と変わらずの3人に、ゲストでギターの加藤さんが3曲に加わっています。
2009年4月の録音と、2010年2月(5,6,8,9)の録音とで構成されていますが、最初の録音でも1曲に加藤さんが入っているので、もう1枚分くらいの録音が残っているのか?と勘ぐる次第であります。
山口コーイチ(P)、不破大輔(B)、つのだ健(Ds)
ゲスト:加藤崇之(G:6,7,8)

演奏曲は以下の通り。全部山口さんのオリジナルとなっています。が即興もかなり含まれていると予測しています。
っていうかCircuitってタイトルのは、みな即興でしょう。(推測)
1 Circuit #1
2 Solo Circuit
3 Circuit #2
4 Circuit #3
5 Lost Of The Divination Of Sutra
6 てもくさ
7 Extended Circuit
8 Perpetual Motion
9 Cante Jondo
10 Disconnect
11 Circuit #4

演奏ですが、インプロヴィゼーションを中心にというだけあって、全体になかなかに緊張感漂う演奏になっています。
1曲目は、ドラムの煽りにのせられてピアノをこれでもかと弾き倒す(それでも叩きつける感じにはならない)ような、なかなかヘヴィな演奏。
一転2曲目は逆に静かな音数のとっても少ないコードを弾くだけのようなピアノの響きを楽しめという感じ。
3曲目は、本領の一聴おそらくヘタウマ系みたいな演奏から、後半のベースがソロから2ビート(不破さんですねぇ)を弾き始めたところで、ちょっと盛り上がりを見せる演奏。
モールス信号のようなピアノの打鍵から持ち味のヘタウマな演奏に入って静かに終わる4曲目。
というCircuit4部作から、テーマとテンポのしっかりした5曲目になだれ込む。テンポがしっかりした曲に渇望感が出てきたところでの演奏は吸収力が強いというか、するする身体に馴染んで来るというか、つのださんのドラムが気持ちいいです。
ここからギターが入って3曲ですが、それまでの純アコースティックジャズから、電気音(エフェクト含め)が入ってスペイシーな6曲目。1曲目をギター入りで演奏したような7曲目。これもタイトルがCircuitですね(笑)
加藤さんの大友さんバリのギターが格好良いです。
8曲目は、永久機関というタイトルで、テーマをちょっと演奏した後、延々のフリーインプロになだれ込んでギター音の音が目立つカオスの中、ドラム、ベース、ピアノがごにょごにょとした動きを見せ、その後ピアノとギターでどっちが先陣を切るかの戦いを始めたと思ったら、ドラムが俄然躍進してきて、うわわとなっているうちにテーマに戻ったと思ったらアッという間に終了する、なかなかスリリングな展開の曲。
その後、シリアス目であるながら変な抑揚が気持ちよい9曲目、ちょっとミニマルな雰囲気が漂うやっぱりシリアス目な10曲目。
最後が、最後のCircuitで終了となります。

アルバムとしてのピークは9曲目に置いているような気がするのですが、個人的にはちょっとシリアス過ぎるかなぁ。
8曲目の爆走感と急な展開が面白いところが好きですかねぇ。。


山口コーイチ "Circuit" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/4206410)

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