Opus 5 "Introducing Opus 5"

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CrissCrossレーベルの9月の新譜です。今回は3枚リリースされていますが、この盤とJohn Escreet盤(http://www.hmv.co.jp/product/detail/4162808)の2枚だけを購入しています。

本作は純粋にメンツ買いです。このメンツ(というかフロントの2人)をみて買わないわけにはいきません。
ユニット名を冠していますが、フロント2名の双頭リーダー作とするのに、名前を付けただけでレギュラー的に活動をするようには、何となく感じられません。なんとなくだけですが..(汗)
というメンツは以下の通り。ピアノは盤石なDavid Kikoski。リズムは、このメンツで共演歴が多そうなBoris Kozlovと、名前を聴いた記憶がないDonald Edwardsのドラムという布陣となります。

Seamus Blake(Ts)、Alex Sipiagin(Tp/Flh)、David Kikoski(P/Fender Rhodes)、Boris Kozlov(B)、Donald Edwards(Ds)

演奏曲は、メンバーオリジナルが4曲。その他3曲の計7曲 4曲目でToninho Hortaが入っていますが、これは前作でもAlex Sipiaginが1曲採用していたので、彼の趣向なんでしょう。
1 Think Of Me
2 Tallysman
3 Baker's Dozen
4 Ton To Tom
5 Nostalgia In Time
6 Asami's Playland
7 Sokol

演奏ですが、全般的にはストレートに4ビートだけとは言いませんがハードバピッシュな演奏を繰り広げるオーソドクスな展開が主流で、フロント2管が火花を散らす展開とか、熱く燃え上がるような演奏にたじろくとか、演奏から滲み出る緊張感に硬直してしまうというような、ハードな展開はほぼ存在せず(笑)。
2管のソロもハイノートをかましたり、バリバリっと吹き倒す場面もないわけではないが、全般に渾身の演奏を繰り広げたというよりは、さらりとプロフェッショナルに仕上げているような感じでしょうか。
さらに、Alex Sipiaginのソロは頻繁に聞こえてくるのだが、Seamus Blakeのが琴線に引っかからないのか出番が少ないのか、あまり印象に残らないところが。。orz

とあまり良い印象でないことばかり書いていますが、実はそんなことはなく、この盤のハイライトはDavid Kikoskiにありまして、管入りのバンドでの彼の演奏には一目置いている私でさえ、ここでの彼の演奏には、目を見はらされるものがありまして、ソロもたっぷり時間をもらって表情豊か、創造性豊かな即興を繰り広げ、バッキングでもその勢いを残したと言っても過言でない絶妙な演奏を繰り広げています。
さらに、ドラム、ベースがタイトでありながら自由闊達な演奏で彩りを添えていまして、ほとんどピアノトリオを聴いているだけで充分という感じと言ったら言い過ぎ、フロントの管があってこのピアノトリオが映えているはずです。


ということで、結果的にSeamus Blakeを期待すると肩透かしを喰らうが、David Kikoskiに注目すると俄然輝く
アルバムと言えると思います。


Introducing Opus 5 "Opus 5"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/4162787)

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