Marcus Strickland "Triumph of the Heavy Vol.1/2"

イメージ 1

Marcus Stricklandの新作は2枚組で2つのユニットの演奏が入っています。
リリースされる情報はかなり前に入手していたのですが、なかなか国内でのリリースがどうなるかはっきりわからずやきもきしているうちにリリース日を過ぎてしまったので、これも米国に直接発注しています。
現在は、amazonでも扱ってますし、ディスクユニオンにも在庫があります。

メンツは、前作"Idiosyncrasies"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58480882.html)と同じトリオに"of song"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58272034.html)でも共演していたピアニストが入る面容となります。以下の通り。

Vol.1
Marcus Strickland(Cl, Ss, As, Ts)、David Bryant(P)、Ben Williams(B)、E.J. Strickland(Ds)
Vol.2
Marcus Strickland(Cl, Ss, As, Ts)、Ben Williams(B)、E.J. Strickland(Ds)

演奏曲は以下の通り。Vol.1とVol.2で同じ曲は演奏せず。
気になるのは、Vol.2の6曲目ですよね。。 とはいえ"Idiosyncrasies"でも演奏してましたが。。
Vol.1
1 Lilt
2 Za Rahula
3 A World Found
4 A Temptress' Gait
5 Dawn
6 Bolt Bus Jitter
7 Virgo
8 Shapes
9 Set Free
10 'Lectronic

Vol.2
1 Mudbone
2 Surreal
3 Gaudi
4 A Memory's Mourn
5 Prime
6 Portrait of Tracy
7 Cuspy's Delight

こちらはVol.1の内容となります。Vol.2は後日公開の予定です。

前半のテナーを演奏しているところは、これまでのMarcus Stricklandらしい演奏を聴かせてくれ、1曲目の7分に及ぶがっつり熱さも満足いくところ。

途中ソプラノに持ち替えているのですが、そうするとWayne Shorter臭が強くなってて、ちょっと驚いてしまいました。
ソプラノを演奏すること自体がWayne Shorter臭を感じる部分があることも否定しませんが、それにしてもこれまでMarcus StricklandにこんなにもWayne Shorterを感じたことがあったかと、思わず前作、前々作を引っ張り出してきて聴いてしまいました(笑)
前作、前々作でもPortrait of Tracy、Pinocchioなんて演っているのでWayne Shorterを意識していることは充分推測できるのですが、それでも演奏自体にWayne Shorter臭はほとんど感じられなかったので、ちょっと面食らったのは事実です。
とはいえWayne Shorter臭が出てもそれがイヤミにはなっていないので満足度が落ちるようなことはありません。

メンツ的にはやっぱりE.J. Stricklandの後ろ盾が強力なんだろうなと。
ピアノは、頑張っているのは判るが創造性という意味ではもうちょっと頑張って欲しいかなぁと感じる部分も..。
曲調に合った演奏をしっかりしているので、マイナス要因にはなりませんがちょっと物足りないかなぁ。
で、Ben Williamsのベースですが、この盤ではちょっと弱い感じですかねぇ。いろいろ演ってはいるようなんですがレベルが低くて判別つきにくいという部分もあるとは思います。ちょいと残念。

ということで、Vol.2はまだまともに聴いていないので、これからしっかり聴くことになるのですが、本作からピアノを除したぶん、Marcus StricklandとBen Williamsがいかほどの活躍を示すか興味津々になるのでありました。。


Marcus Strickland "Triumph of the Heavy Vol.1/2" (http://www.amazon.co.jp/dp/B005OECCPS/)

この記事へのコメント