Pilc / Moutin / Hoenig "Threedom"

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Jean Michel Pilcの新譜というべきか、3人共作名義だからそうは言えないのか・・
とはいえ、共作になる3人が強烈な面々なので、どっちでも良いことなのであります。
その3人とは以下の通り、Jean Michel Pilcの名を知らしめた名盤"Together Vol.1/2"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a56971137.html) (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a45678632.html)で共演していた2人となります。
この3人でのトリオ演奏は、このあと"WELCOME HOME"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a45209878.html)というのがありましたが、これでも9年前の演奏なので、満を持しての再会セッションとでもいえるようなものなのでしょうか?
Jean Michel Pilc(P)、Francois Moutin(B)、Ari Hoenig(Ds)

演奏曲が、てんこ盛りで最長が1曲目の7分強、最短が8曲目の2分弱、総じて3分弱から4分強の曲が並んでいる印象です。
1 Nardis
2 Think of One
3 Morning
4 Foggy Day
5 You And The Night And The Music
6 Birth
7 Slow
8 Touch
9 Giants Steps
10 Afro Blue
11 Grinch Dance
12 Dusk
13 Lily
14 Threedom
15 Hymn For Her
16 I'm Beginning to See the Light
17 Confirmation
18 Smile


1曲を充分楽しむための1曲目と最後の曲。間の16曲はエッセンスを楽しむ演奏という構成になってます。

ということで、3~4分の曲が並んでいるということは、冷静に考えてテーマを演奏してピアノソロに入ってピアノがテーマを崩したところで1曲終了みたいな状況になっていたりするわけであります。
ありますが、Jean Michel Pilcの真骨頂は、良く知っているメロディを活かしながら絶妙に崩して聴かせるところにあると思っている身にとっては、テーマを提示して元曲を伝えつつそれを崩した状態を開陳して終了みたいな状況というのは、おいしいところだけを取り出したエッセンス盤のような様相を呈していると言うことに他なりません。
ドラムもベースもそれぞれの持ち味をしっかり出して演奏に彩りを添えている感じで、期待通りの演奏を繰り広げています。

曲も大半が良く知っているお馴染みの曲を取り上げていますし、曲の変転を本当に気持ちよく楽しむことが出来ます。

短い曲が多く入っていますが散漫になっている印象はなく、逆にエッセンス抽出ということで1曲の密度が濃いことになり、お腹一杯になるのも早い感じではありますが、Jean Michel Pilc黄金トリオの玉手箱状態とでも言いたいくらいで、満足度は高いです。

これを踏まえて、次作はこのメンツでのガッツリ盛り上がるライブ盤を期待したいところであります。


Pilc / Moutin / Hoenig "Threedom"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/4210356)

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