Chick Corea / Stefano Bollani "Orvieto"
Chick Coreaの久々のECMでのリーダー作(Trio Music - Live In Europe以来の27年ぶり?)は、イタリアの Stefano Bollaniとのピアノデュオ盤となります。
おそらくChick Coreaが先日の上原とのデュオ"DUET"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a51984290.html)で他国の若手の才能あるピアニストとの共演に楽しさを知ったことから勢いのあるイタリアの逸材との共演を果たしたってことなんじゃないかと思っています。
Stefano Bollaniは1972生の39歳ですか?若手と言うには・・ですが、(米国民にとっては)新しい才能を紹介する意義にはなっているんじゃないかと思うのですが..
Chick Corea(P)、Stefano Bollani(P)
演奏曲は以下の通り。6曲めまでが第1部での演奏。部の最初にインプロの演奏が含まれ、ジョビンの曲を1つずつ、1部ではBollaniの、2部ではcoreaの曲を演奏とその他で各6曲ずつの構成となっています。
1 Orvieto Improvisation No. 1
2 Portrait In Black And White
3 If I Should Lose You
4 Doralice
5 Jitterbug Waltz
6 A Valsa da Paula
7 Orvieto Improvisation No. 2
8 Este Seu Olhar
9 Darn That Dream
10 Tirititran
11 Armando's Rhumba
12 Blues In F
(いろいろ聴いてるとキリがないから)イタリアジャズについては積極的に聴くことは止めておこうという意識を意図的に持とうとしている部分がありまして。。
Stefano Bollaniという名前は当然知っていますが、彼の演奏がどういうものか想像できるような状況ではありません。
ていうか、今自blogを検索して彼の名前は出てきませんでした(笑)
ということで、耳馴染みしているchick coreaのサウンドを基調とした演奏に、違うピアノが絶妙に絡み合うような印象で聴いてしまうのはいたしかたないところかなぁと(自己弁護)
一番最初のImprovisationこそ思索的な探り合いのような演奏からのスタート(後半になって会話が成り立っていくさまはそれはそれで面白いですが..)となりますが、全般的には陽性な演奏を繰り広げており、どの曲を演っているかがいつでも判るようなコードとテンポはしっかり維持しながら、その制約の中でテーマ、即興を入れ替わりつつ、お互いがお互いの演奏から絶妙な反応で役割を入れ替えたり、跳ね返したり。バッキングで相手を煽ってみたり逆にハズしてみたりと縦横無尽な演奏が繰り広げられます。
この守るべきところをどちらかが守る体制をとりながら(どっちが守備をとるかの応酬)、攻撃者がどれだけジャズとしての自由度の高い演奏で攻めたてるか。もちろん、守備側も"こうきたらこう返す"みたいな感じで、守備に徹することなく、いつでも攻撃に転じられるようジャブを出し続けているような。。というスリリングな展開が安心して聴ける安定感を持ちつつ、緊張感をも感じさせる演奏となっており、これは唸らざるをえません。
これだけ好き勝手に相手とのやりとりをしていると聴ける演奏であるにもかかわらず、そこに表出するのが"ケンカ"ではなく"一体感"であるというのも恐ろしいところであります。
上原と言いこのStefano Bollaniと言い、若手中堅にChick Coreaにインプロの応酬で互角に対峙できる才能が存在することに、Chick Coreaとしてもかなりうれしい事態なのではないかと推測しています。
今後も、「この人は」という逸材を見出しては戦いを挑んでいくんじゃないかと想像しているんですが..
Chick Coreaがこういう企画ものを作ると、得てして自作の人気曲を多く配する傾向にあると思っていますが、本作ではたった1曲に抑えているところも、曲(と自身)の人気で売るというよりも、Stefano Bollaniの才能で売りたいという意識が働いた結果ではないかと勘ぐっております。
Chick Corea / Stefano Bollani "Orvieto"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/4188660)
おそらくChick Coreaが先日の上原とのデュオ"DUET"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a51984290.html)で他国の若手の才能あるピアニストとの共演に楽しさを知ったことから勢いのあるイタリアの逸材との共演を果たしたってことなんじゃないかと思っています。
Stefano Bollaniは1972生の39歳ですか?若手と言うには・・ですが、(米国民にとっては)新しい才能を紹介する意義にはなっているんじゃないかと思うのですが..
Chick Corea(P)、Stefano Bollani(P)
演奏曲は以下の通り。6曲めまでが第1部での演奏。部の最初にインプロの演奏が含まれ、ジョビンの曲を1つずつ、1部ではBollaniの、2部ではcoreaの曲を演奏とその他で各6曲ずつの構成となっています。
1 Orvieto Improvisation No. 1
2 Portrait In Black And White
3 If I Should Lose You
4 Doralice
5 Jitterbug Waltz
6 A Valsa da Paula
7 Orvieto Improvisation No. 2
8 Este Seu Olhar
9 Darn That Dream
10 Tirititran
11 Armando's Rhumba
12 Blues In F
(いろいろ聴いてるとキリがないから)イタリアジャズについては積極的に聴くことは止めておこうという意識を意図的に持とうとしている部分がありまして。。
Stefano Bollaniという名前は当然知っていますが、彼の演奏がどういうものか想像できるような状況ではありません。
ていうか、今自blogを検索して彼の名前は出てきませんでした(笑)
ということで、耳馴染みしているchick coreaのサウンドを基調とした演奏に、違うピアノが絶妙に絡み合うような印象で聴いてしまうのはいたしかたないところかなぁと(自己弁護)
一番最初のImprovisationこそ思索的な探り合いのような演奏からのスタート(後半になって会話が成り立っていくさまはそれはそれで面白いですが..)となりますが、全般的には陽性な演奏を繰り広げており、どの曲を演っているかがいつでも判るようなコードとテンポはしっかり維持しながら、その制約の中でテーマ、即興を入れ替わりつつ、お互いがお互いの演奏から絶妙な反応で役割を入れ替えたり、跳ね返したり。バッキングで相手を煽ってみたり逆にハズしてみたりと縦横無尽な演奏が繰り広げられます。
この守るべきところをどちらかが守る体制をとりながら(どっちが守備をとるかの応酬)、攻撃者がどれだけジャズとしての自由度の高い演奏で攻めたてるか。もちろん、守備側も"こうきたらこう返す"みたいな感じで、守備に徹することなく、いつでも攻撃に転じられるようジャブを出し続けているような。。というスリリングな展開が安心して聴ける安定感を持ちつつ、緊張感をも感じさせる演奏となっており、これは唸らざるをえません。
これだけ好き勝手に相手とのやりとりをしていると聴ける演奏であるにもかかわらず、そこに表出するのが"ケンカ"ではなく"一体感"であるというのも恐ろしいところであります。
上原と言いこのStefano Bollaniと言い、若手中堅にChick Coreaにインプロの応酬で互角に対峙できる才能が存在することに、Chick Coreaとしてもかなりうれしい事態なのではないかと推測しています。
今後も、「この人は」という逸材を見出しては戦いを挑んでいくんじゃないかと想像しているんですが..
Chick Coreaがこういう企画ものを作ると、得てして自作の人気曲を多く配する傾向にあると思っていますが、本作ではたった1曲に抑えているところも、曲(と自身)の人気で売るというよりも、Stefano Bollaniの才能で売りたいという意識が働いた結果ではないかと勘ぐっております。
Chick Corea / Stefano Bollani "Orvieto"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/4188660)
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