Francesco Cafiso "Moody'n"

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Francesco Cafisoの新作です。
これが、リリースの情報は早くに知っていたのですが、おそらく欧州でしかリリースされていないからだと思いますが、入荷が遅い上に、値段もかなり高く..。
発注して待っているうちに違う盤が気になって一旦キャンセル。キャンセルすると入荷済みになって..(苦笑)
しばらくして、(値段が高いから)意を決してまた発注をすると、またまた待たされることになり..(苦笑^2)
なんてことをやっていたので、入手までかなりの時間がかかってしまいました。

本作は、ドラムレスの2管カルテットになり、メンツは以下の通り。
Francesco Cafiso(As)、Dino Rubino(Tp)、Giovanni Mazzarino(P)、Rosario Bonaccorso(B)

演奏曲は、全部で10曲。Horace Silver、Charie Parkerが3曲、Bennt Golson、Miles Davisにオリジナルが4曲という構成になっています。
1.Strollin’
2.Ah-leu-cha
3.Whisper not
4.Moody’n
5.In a ghost way of love
6.Milestones
7.Mr Knom’s hats ? Introspectaball
8.Secret ways of inviolable beauties
9.Barbados
10.Steeplechase

並んでいる曲をみれば判る通り、BeBopからHardBopをリスペクトしているような感じになります。
BeBopとHardBopと両方書いておきますが、基本的には前者をターゲットにしている感じになると思います。
オリジナルを含めて4ビート基調のオーソドクスな演奏で、緩急織り交ぜた楽曲群という感じになります。

演奏は、Francesco Cafiso、Dino Rubinoの掛け合いでテーマ演奏をした後、Francesco Cafiso -> Dino Rubinoの順にソロを奏でるような、これまたオーソドクスな展開となります。
オーソドクスな楽曲にオーソドクスな展開。さらにドラムの煽りも無いとなると、それだけ奏者各人の演奏の力量で勝負している部分が大きくなるわけですが、それを補ってあまりあるだけの演奏を(Francesco Cafisoが)聴かせてくれるから恐ろしいです。

Dino RubinoもGiovanni Mazzarinoもそれなりにソロはとっていますが、比率としては圧倒的にFrancesco Cafisoのソロが圧倒的に多いです。
言っちゃえば、Dino Rubinoがテーマの補完要員、Giovanni Mazzarinoがソロの引き立て役A、Rosario Bonaccorsoがテンポキープ要員+ソロの引き立て役Bなんて過激すぎますが。。(汗)

ドラムがいない分音空間的にはたっぷり空いていて、テンポの束縛も緩い(嘘、ベースがかなりしっかりとしたペースメーカーをしている)中で、本当に「朗々と」ということばが似つかわしいサウンドでFrancesco Cafisoのソロがこれでもかと聴けるところが、この盤の真骨頂であるのは間違いのないところであります。

この盤を聴いて、おおよそ最初の3曲聴いてノックアウトされ、4曲目でとどめを刺されるような感じになるんじゃないかと思います。
後半はバラード系の曲が多くなりますがこれも滋味深く聴き惚れるにたる演奏をしています。
でも、ベストは最初の3~4曲一気ということになるでしょう。

ということで、自身の中でも突発的ではあったのですがこの盤を2011年のベストの3枚の内の1枚に推しております。


Francesco Cafiso "Mood'yn"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/4212881)

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