Sarah Manning "Dandelion Clock"

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Sarah Manningという女性サックスプレイヤーです。販売サイトでなにげなくLinda Ohで検索をかけたら、ひっかかり試聴してみたらなかなか良い演奏のようだったので購入してみました。
ちなみに、中古で購入。

Linda Ohは、下記リーダー作がなかなかよくて印象に残っている女性ベーシストです。
 "ENTRY"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59498604.html)

メンツは、リーダーのSarah ManningとLinda Ohと、残りは以下の通りとなります。
ちなみにこれがSarah Manningの3枚目のリーダー作になるようです。
 "House on Eddy Street"(http://www.amazon.co.jp/dp/B000CAK95O/)
 "Live at Yoshi's: Two Rooms Same Door"(http://www.amazon.co.jp/dp/B000TA1CLC/)
Art Hiraharaさんは、日本人でこちらも最近リーダー作がでたばかりの人みたいです。
Sarah Manning(As)、Linda Oh(B)、Art Hirahara(P)、Kyle Struve(Ds)

演奏曲は、オリジナルが7曲にその他2曲を最初と最後に配した計9曲となります。
1 Peacocks(J.Rowles)
2 Marble
3 Habersham Street
4 I Tell Time By The Dandelion Clock
5 Crossing, Waiting
6 Owls(Are On The March)
7 Through The Keyhole
8 Phoenix Song
9 Windmills Of Your Mind(M.Legrand)

曲としてはオーソドクスなものを選んでいる印象で、4ビートがそれに準ずるようなものが主となります。
しかも、テンポは遅めのダークな雰囲気を感じさせる楽曲が並んでおり、いわゆるジャズというイメージの格好良いところというか渋いと感じさせる部分に焦点をあてたような印象を受けます。
Sarah Manningのアルトの音が実に男性的というか(笑)、ぶっきらぼうに感じるような潔い音出しというか清々しさを感じるサウンドで、それが音の雰囲気からダークさを払拭しているようなところがあると思います。

Linda Ohのベースはゴリゴリ系でありながら、精細なフレーズをしっかりキメてくれていて、個人的には惹かれている部分が多いです。
Art Hiraharaと言う人のピアノは(多分初めてですが)きれい目な音色を多く使う印象で、南博さんの雰囲気をちょっと感じさせるのは米国で修行を積んだ日本人的ということなのかもしれません。あまり前面に出て派手なパフォーマンスを繰り広げるような場面がないのは、全体の雰囲気を読んでのことと思います。
ドラムも好サポートという感じに徹しているのは、後述の通り空間を広くとる意識を持っていると思います。

ということで、バックのピアノトリオが総体的にはシャープでタイトなサウンドで音数が少なめなのバッキングをして空間を広くとるような演奏をしています。
その広くできている空間を、スパッと切り裂いていくが如くにアルトの音が響き渡るところがとても気持ちよく、そこがこの盤の聴きどころになると思います。

個人的にもLinda Oh買いで、リーダーのSarah Manningは全然眼中になかったので偉そうなこと言えませんが、特に女性であることを割り引く必要もなく、充分に個性を感じさせる演奏を繰り広げていて、良い拾い物をした気分になっています(笑)
2010年のリリースですが、これまで全然話題になってないし自分もこれまで見逃していたんですが、もうちょっと話題にあがっていても良かったんじゃないかと今更ながらに思う次第であります。。


Sarah Manning "Dandelion Clock"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3818671)

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