Brian Charette "Live At Deanna's"

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この盤は宣伝に乗って買っている部分が大きいと思います。たしか幻盤のような扱いで、再発の宣伝になっていたと思います。ユニオンでも当初はCD-Rでの入荷だったとか?
1999年12月22日にNYのレストランでライブ録音されたものでオリジナルのリリースが2003年だったようです。
この時期(年末)にこの時期(月日)のライブ演奏を出してくるってのも、なんだかいかにもな感じがするのは私だけでしょうか?
が、メンツもそれ以上にソソられるものがあったのも事実でしてメンツ買いの要素も大きいです。
そのメンツは以下の通り、Matt PenmanにAri Hoenigなので、リズム陣は盤石と言えるでしょう。
Brian Charette(P)、Matt Penman(B)、Ari Hoenig(Ds)

演奏曲は以下の通り。スタンダードというかお馴染みの曲が並んでいます。この辺も一般的には訴求力のあるところ何じゃないかと思います。
特に時期(年末)的なものを意識した選曲という感じではなさそうです。
1 All the Things You Are
2 My Romance
3 Cheesecake
4 I Don't Stand a Ghost of a Chance with You
5 Solar
6 Don't Explain
7 Stella by Starlight
8 Corcovado
9 What Is This Thing Called Love
10 I Got Rhythm

演奏ですが、テーマをほぼ原曲のまま演奏してソロに突入するというごくごくオーソドクスな展開で、この辺も盤石な人気盤の素養なのかと思わせるものがあります。
さらに、レストランでのライブと言うことで、食器の鳴る音に、客の会話、笑い声が聞こえてくるのは、いかにもwaltz for debby を意識したような(というか、露骨に真似たと言いたいくらい)作りになってまして...。

が、それを良質な作品に引き上げているのは、リズムの2人の存在がかなり大きいと思います。

Matt Penmanのベースは、さすがに、scott lafaroばりとは言いませんが、時に1曲ずっとソロ演奏しているようなメロディアスな演奏に終始してみたり、曲によってはしっかり伴奏に徹するような演奏もしと、変幻自在にしかもしっかり太い音が聴いていて気持ちよいものがあります。

Ari Hoenigは、基本的には忠実にバッキングに徹しているような感じに終始するのですが、ときに意表を突いたフレーズを入れて、ちょっとニヤッとさせてくれるようなところが、ニクいというか(笑)
最後の曲では、1フレーズですがメロディ奏法をいれて、Ari Hoenigじゃんと思わせてくれるのは好感触であります。(この程度の塩梅だと好感触)

この2人が、タイトでかつ野太いリズムを叩き出すことで、演奏に張りが出ていると感じられます。
とはいえ、この2人がピアニストを鼓舞してがむしゃらに演奏を盛り上げるという方向には行かず、この辺レストランでのライブというのも意識しているのかもしれませんが、食事の邪魔にならないところで抑えているのかなぁと..

そのピアニストであるBrian Charetteという人は知りませんでしたが、まっとうでわかりやすいスタイルという印象。
特に個性の強いワンアンドオンリーを感じさせるものではありませんが、職人的に良い演奏をする中堅実力派みたいな感じなんでしょうか?

ということで、過激な演奏を期待しなければ、曲全体を楽しむような聴き方でも、ベースドラムの音を追うという聴き方でも相応に満足できる1粒で2度おいしいようなピアノトリオではあります。


Brian Charette "Live At Deanna's" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/2518258)