Ulysses Owens Jr "Unanimous"

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3月のcriss crossレーベルからリリースされた4枚の内の1枚です。今回のリリースはあまり有名でない面々での4枚だったので、全部買うつもりはなかったのが、なぜか全部買いしています。
でも、未知の面々の演奏からジャズの違った面を見せてもらえればそれはそれで◎なんじゃないかとは思います。
という4枚は以下の通り
 Ulysses Owens Jr "Unanimous"
 Yosvany Terry "Todays Opinion"
 Joe Sanders "Introducing Joe Sanders"
 Dayna Stephens "Today Is Tomorrow"

この盤は、Ulysses Owens Jrというドラムの人の作品で、これが2枚目のリーダー作になるようです。
参加盤を見ると、Christian McBride BigBandで聴いていることになるようです。
という参加メンバーは以下の通り。Nicholas Payton、Christian McBrideの参加が光ります。
とはいえ、よく見ると管楽器の面々は前半だけの参加でした。このメンバー変遷の意図は難解です。
Ulysses Owens Jr(Ds)、Christian McBride(B)、Christian Sands(P)
Nicholas Payton(Tp:1,2,3,4,5)、Jaleel Shaw(As:1,2,5,6)、Michael Dease(Tb:1,2)

演奏曲は以下の通り。有名曲を散りばめつつ、メンツのオリジナルを紛れ込ましているような配置ですかねぇ。
上述の通り前半は管入りの演奏。後半はピアノトリオとなります。
1 Good And Terrible
2 Con Alma
3 E.S.P.
4 Prototype
5 Party Time
6 Beardom X
7 You Make Me Feel So Young
8 Cherokee
9 Cute And Sixy

シンバルの1発から始まる5拍子の1曲目。
ドラムでラテンなリズムの端緒を叩いた後は極々オーソドクスにテーマを奏でる2曲目。
3曲目もドラムからピアノのイントロからトランペットでのテーマへというオープニング。この曲もテーマは、かなり忠実に奏でています。
2曲目3曲目は曲の良さをしっかり活かした演奏が印象的です。ここまでまっとうにテーマを演奏するのは逆に珍しいんじゃないかと思ってしまうくらい..
と、正調的に4ビートジャズを堪能させてくれる前半となります。
この前半は5曲連続で参加しているNicholas Paytonが俄然光っていて、どの曲でも要衝でのがつんとしたソロが印象的です。

後半はピアノトリオの演奏になるのですが、ここではCherokeeが!な演奏で気に入ってます。
早いフレーズの4ビートをベースが奏でるイントロから、ピアノが入ってきて、高速のソロを延々奏で続け、中盤でChristian McBrideのアルコでのソロが入ってきて、同様に高速のソロをがしがし決めて、そして最後の最後にちょろっとテーマが入って終わるんですが、実にスリリングで格好良い演奏です。

全体に、Nicholas Payton、Christian McBrideという名手の力量に負っている部分が多い印象は否めないのですがそれでもピアノが渋めではありますがなかなか良い演奏をして健闘している感じがあります。
このChristian Sandsは、過去に5枚程度はリーダーが出ていますが、ここ3~4年はリーダー作を出せていないようなので彼の実力をもっと広めたいという意識がどこかに働いたことが、後半をピアノトリオの演奏にするという暴挙に出た要因なのかもしれません。
リーダーのUlysses Owens Jrは、曲の冒頭にソロを入れる程度にはリーダーを誇示していますが、全体的には好サポートに徹しているといっても過言ではないくらいに、全体のバランスを考えた演奏を繰り広げています。
何度も書いてますが、ドラムリーダー作はこういう塩梅が良いです。好印象です。

ベストは。。前半にも良い曲ありますが、Cherokeeに軍配を挙げましょう。


Ulysses Owens Jr "Unanimous" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/4935747/)

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