Benny Lackner "Cachuma"
このアルバムを買ったのは、この盤の情報を見つけてそれまでずっと気になっていた旧譜と一緒に買ってしまおうと買い込んできたことになります。
メンツは以下の通り。残念ながら(?)、前作のメンツがレギュラーってわけでもないようで、ベースもドラムも違う人が勤めています。
Benny Lackner(P)、Jerome Regard(B)、Matthieu Chazarenc(Ds)
演奏曲は以下の11曲。9曲がBenny Lacknerのオリジナルで、bionde redhead(米ロック)の曲
1 I Can Do Whatever I Want
2 Lola's Dance
3 Imren
4 Coming Down
5 Cachuma
6 Pianohaus
7 Find Your Place
8 Brooklyn / Berlin
9 Elephant Woman
10 Yulia
11 The Baltic
スタイルとしては前作と大筋では変わらず、あまり高速にならないところで、
「淡々としたミニマルな雰囲気を持ったリズムの上で、判りやすいメロディのフレーズを重ねているような楽曲。
そこに、薄く効果音的なサウンド(シンセで作る風切音のようなヒューみたいな)が紛れているような感じになるのですが、この塩梅が絶妙でうなります。」
という演奏となります。
1曲目、ちょっと不安感を与えるようなイントロから、訥々としていながら幻想感を感じさせるような楽曲。
2曲目も同様の傾向でありながらより神秘感を増したような演奏。
3曲目は、ちょっと速いテンポでチェンバロが合いそうな旋律を奏で、中後半でベースソロから電気ピアノでちょっとFUSION臭を入れて雰囲気がガラっと変わる。最後に最初のテーマの1フレーズ入れて終了するので、曲が変わった訳ではありません。
4曲目、ピアノの低音とベースが気持ちよく響く上で、マイナー調で温度感低めのテーマが鳴り響くような曲。
全体の雰囲気として、温度感は低めで、繊細な感じを多く受けるが、それでいて北欧を感じる透き通るような雰囲気はあまり感じさせないのは、不安感を煽るようなマイナー基調の曲が多いからか?
アレンジ的にも3曲目の途中で極端に雰囲気の変わる演奏があったりと、物語性を感じさせるようなところもあって、この先どう展開するのだろうという期待感をも感じさせるようなところがあるか。。
演奏も、なかなかに奥深いものを感じさせてくれて、するめと言うほどではないにしてもあまりすぐに飽きるような感じでもない。
冷静に考えるとこのスタイルと雰囲気って、昨今のBrad Mehldauでも見られるようなところがあって、米国ロックのサウンドをジャズ化しているような嗜好に共通項があるのか!? と思ったら、Brad Mehldauに師事したことがあるようですね。何だか妙に納得(笑)
ベストは、3曲目にしておきます。この展開は、好き嫌いはあると思いますが、なかなかに面白いと思います。
10曲目のオアシスのような雰囲気も良いんですが、あれはここに挟まっているから良い曲なんだと思います。
Benny Lackner "Cachuma"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/4932456)
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