Mike Moreno "Another Way"

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Mike Morenoも近年の豊穣たるNYコンテンポラリ系ギタリストの中核をなす人材という感じで、個人的にも気になる存在の1人ということになっています。
が、アルバムリリースではあまり恵まれている印象はなかったのですが、調べてみると2008年の"Third Wish"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a54108029.html)のあと2011年に"First In Mind"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60641537.html)をリリースしているので、そうそう悪いペースではありませんでした(汗)
が、この盤はたしか寄付を募って、それが目標額を超えたところで制作がかなった作品だったような気もするのですが。。

メンツは以下のとおりでAaron Parksの参加が白眉ということになると思います。
ヴィブラフォンとドラムが2人のクレジットがありますが、何曲目かは書いてありません。
書いてないけど、以下の通り各1曲らしいです。
Mike Moreno(G)、Aaron Parks(P)、Mat Brewer(B)、
Warren Wolf(Vib)、Ted Poor(Ds)
Chris Dingman(Vib:4)、Jochen Rueckert(Ds:1)

演奏曲は以下の9曲。全部Mike Morenoのオリジナルのようです。
1 The Spinning Wheel
2 Waking the Dancer
3 One and a Half
4 The Fifth Element
5 Slow Fall
6 Another Way
7 Behind the Wall
8 The Mariner
9 Mirror Mirror

1曲目の最初のギターでのイントロからMike Morenoねぇ~って感じで、一気に彼の音世界に引き込まれます。
そこから、いわゆるコンテンポラリー系の格好良くも気持ち良いサウンドに包まれる。
2曲目もギターのイントロが印象的な小品。ピアノとの掛け合いの美しさが印象的な1曲。
3曲目、ヴィブラフォンとのユニゾンのテーマから、ちょっと怪しい雰囲気を醸す1曲。その中でのドラムの疾走感が気持ち良いです。

全体を通して、ちょっと怪しい雰囲気というようなものが通奏低音的に存在しているイメージとなりますが、あまりおどろおどろしい感じではなく..う~ん、妖怪的な怪しさでなく魔術的な怪しさとでも言うんですかねぇ。。 ミステリアスな雰囲気を醸すような感じ。後半になると、この怪しさは薄れてきてしまうんですが、このアルバムの真骨頂は怪しさにあると思います。前半が俄然良いと思います。

演奏面での白眉はやっぱりAaron Parksになるんだと思います。要所で印象深いフレーズで演奏を光らせているような印象。良い仕事してくれています。
ドラムはあまり前面に出てくる感じではないのですが、疾走感がありながら多彩な攻めを叩き出すような感じで、これにベースが決してリズムを刻む仕事に徹しず創造性豊かなフレーズで色を添えてきて、このリズムが全体の気持ちよさを何倍にも増加させている感じ。
ヴィブラフォンは、(ソロもありますが)あまり全体に影響するような働きにはなっていないんだと思いますが、それでいていつでも気づくとしっかり鳴り響いているような印象があります。
しかし、Mike Morenoのギターはうまいと思います。あまり派手なイメージはないんですが、いぶし銀的にしみじみと良いギターサウンドを聴かせてくれます。

で、ベストは、3曲目だと思います。


Mike Moreno "Another Way" (http://www.hmv.co.jp/product/detail/5066151)

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