Pat Metheny "Unity Band"

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Pat Methenyの新譜は、80/81以来?のSAX入りカルテットでの演奏でした。
しかもそのSAXプレイヤーにあの Chris Potter を従えての登場となりました。
Pat MethenyとChris Potterの共演というだけで、期待感に胸膨らます状況になります。
まぁ、はずれは絶対にないところではありますが、どんなサウンドがでてくるのか興味津々で長い月日を待ち続けました(笑)
patweekへの情報提供が"ゲスト"名義になってますが私でして、それが4/9。約2カ月待ったわけであります。

メンツは以下の通り。ドラムにAntonio Sanchezを起用するのは、昨今のPat Methenyの嗜好を考えれば妥当なところでしょう。ベーシストのBen Williamsは自blogでは、Marcus Stricklandの盤で多く登場してくる人で、若手でイキの良いという位置づけでしょうか
Pat Metheny(G)、Chris Potter(Sax)、Ben Williams(B)、Antonio Sanchez(Ds)

演奏曲は以下の9曲。すべてPat Methenyのオリジナルのようです。
1 New Year
2 Roofdogs
3 Come and See
4 This Belongs to You
5 Leaving Town
6 Interval Waltz
7 Signals (Orchestrion Sketch)
8 Then and Now
9 Breakdealer

全体に思った以上にPat Metheny臭が強い印象があります。やっぱり人気、知名度の問題からか、バンドのイニシアチブの問題からか、こういう状況はいたしかたないんでしょうかね。
個人的にはもっうちょっと音作りにChris Potter臭が多く出てくれていることを密かに期待していたんですけど、その部分だけはちょっと肩透かしを喰らいました(笑)

1曲目こそスローテンポの曲で、イントロがギターで主旋律はSAXなので、対等感を感じさせますが..。
2曲目はPMGで演っても違和感なさそうなサウンドで、(来年リリースが噂されている)PMGの新作の没曲か?なんて勘繰ってしまったり(笑)
Pat Methenyの個性的なギターシンセのサウンドに、これまた個性的なAntonio Sanchezのドラムサウンドが、個性豊かに演奏されるとそこはPMGサウンド以外の何物でもない音世界が繰り広げられると言っても過言ではない状況になりまして..。
3曲目のイントロのピカソギターがこれまた個性的なサウンドでPat Methenyな音世界で満たされますし..。
7曲目の出だしはフリースタイルの演奏で度肝を抜かれますが(笑)途中からは、まさか(!)のOrchestrionの登場で、これまたとっても個性的なPat Methenyの音世界に満たされます(笑)
先日のLarry Grenadierとのデュオでも持ち込まれていたようにOrchestrionの大掛かりな装置は、今後多かれ少なかれ彼のアルバムでの登場頻度は高いと予測しています。

とはいえ、Chris Potterに注目して聴けば全体的にとは言えないが要所ではがっつりとした演奏を繰り広げているので、それをしっかり聴取できれば、そこそこの満足度は得られるかなぁと.. 5曲目、8曲目、9曲目とかのソロはなかなかがっつりとした演奏を聴かせてくれています。
ただ、Pat Metheny好きでこの盤を買った人がこの盤でChris Potterの凄さに開眼して他のアルバムを漁るような状況はちょっと想像しにくいですかねぇ。
とはいえ、知名度がグッと上がるのは間違いないところだと思いますし、しばらくはこのバンドのツアー生活になるんでしょうけどその後のソロ活動がどう変化するか、彼のリーダー作の売れ行きの変化とかが非常に興味津々になってます。


全体に、Pat Methenyの音楽を求めて買えばかなりの満足度の得られる演奏だとは思います。
が、サウンドがPat Metheny臭が強過ぎることに自身がこだわり過ぎているのか、個人的にはもうちょっとchris Potter臭が欲しいとか思ってしまうのは。。。(苦笑)

肩透かしなんて冒頭に書いていますが、先入観なしなら内容は最高に良いです。今年のベストに入りそうな作品であることは間違いありません。


ベストは5曲目にしておきます。

Pat Metheny "Unity Band"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/5046303/)

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