Chris Potter Underground "Iowa City 2009"
メンツは、来日公演ではKebの代わりにBが入っていたはずです。どちらが◎なのかは不明ですが、Undergroundのオリジナルメンバーは、この盤と同じとなります。
ちなみに同じメンツの正規盤は下記2枚となります。
"Ultrahang"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58429233.html)
"Follow The Red Line: Live At The Village Vanguard"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a50070403.html)
と言うメンツは以下の通り。
Chris Potter(Ts,Bcl)、Craig Taborn(Key)、Adam Rogers(G)、Nate Smith(Ds)
演奏曲は以下の通り。1枚に4曲ずつ(1-1は司会)の計8曲収録となります。なので、1曲の演奏時間はかなり長いことになります。2-2が5分台と短いですが後は10分超えとなります。
Disc 1
1 Introduction
2 Facing East
3 Blue Sufi
4 Small Wonder
Disc 2
1 Good Hope
2 The Single Petal of a Rose
3 Rumples
4 Togo
全体にリズムがしっかりしたサウンドになっているのは、Nate Smithがガッチリと極力なビートを叩きだしているからに他ならないと思いますが、サウンドバランス的にもドラム強めになっているのが効いていると思います。
Adam Rogersは、"Ultrahang"のところでも書いていますが、先入観となっている彼の印象からはかなりかけ離れたJohn Scofieldを彷彿とさせるような変態ギターで応酬していて圧倒させられます。
このサウンドの音楽への影響度ってのはかなりのものがあると感じられ、このバンドのギタリストはAdam Rogersで決まりなんだろうなとつくづく感じさせられました。
音楽全体の骨格を形成しているのはCraig Tabornのサウンドだと思います。キーボードを利用した多彩なサウンドでリズムの上乗せ、音の厚みの上乗せをしていることで、音楽の面白さ倍増になっていると思います。
この演奏を聴いている限りでは、ここがベースだと音の厚みというか、多彩さという部分ではだいぶ削がれてしまったサウンドでの音楽になっていたんじゃないかと推測するのですが。。はてさて??
元来の変態性をもったCraig Tabornと変態サウンド攻めしてくるAdam Rogersと変態づくめのサウンドの上で、Chris Potterのサックスが吠えるわけですが、これはもう文句なしのChris Potterサウンド、 Undergroundサウンドをたっぷりと愉しめる文句なしの演奏であります。
正規盤での演奏に較べ、ライブの熱気の伝わる度合いが高いような感じで、聴いていてちょっと興奮してきます。
ブートと言うことで、良い演奏を選別しているわけでもなく、微妙な調整なんかもしていない荒々しさなんてのも、熱気と興奮に還元されているということなんだと思います。
Ultrahangと同年の演奏のはずなんですが、なんとなくこっちのほうが一体感もあるように感じるのは、スタジオとライブの差ということなんでしょうかね??
2-2の短い曲が、バスクラでの(ほぼ)ソロの演奏でスローでちょっと幻想的な雰囲気を醸すような楽曲で、どことなくNefertitiだか、あのあたりのサウンドをちょっと彷彿とさせるような感じを受けるのは気のせいでしょうか??
2-3の冒頭のリズムがyou're under arrestを彷彿とさせるものだったりして、と、こう立て続けにMiles Davisな曲を聴かされると、帝王の影響の大きさってのをつくづく感じさせられます。
ベストは、長尺なれど多彩な演奏が楽しめる2-3とさせていただきます。
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