Jure Pukl "Abstract Society"

イメージ 1

この盤はメンツ買いしています。Vijay Iyerの1ホーンカルテットの演奏
Joe Sandersは、デビュー盤(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61215300.html)を聴いてます。
Damion ReidはRudresh Mahanthappa関連で聴いている人です。
リーダーのJure Puklって人は初めてだと思います。

と言うメンツは以下の通り。
Jure Pukl(Ts,Ss)、Vijay Iyer(P)、Joe Sanders(B)、Damion Reid(Ds)

演奏曲はすべてJure Puklのオリジナルの以下の10曲となります。
1 Circle Mind
2 Waterfalls
3 Abstract Society
4 Random Logic
5 Intermission: Sir Dracula
6 O.M.
7 The Force
8 Sequence II
9 The Mind And The Soul
10 7 Up (aka Trio Joy)


1曲目、Wayne Shorter臭の強いSAXが聴ける曲。
2曲目、フリーキーなSAXトーンが印象的だが、実はピアノが効いている曲。
3曲目、スピリチュアルにおどろおどろしい楽曲。
4曲目、リズムとテーマのズレが不思議な、これまたいかにもフリージャズな楽曲。
5曲目、サックスの担当なフレーズが怪しさを醸すような
6曲目、イントロのVijay Iyerのピアノが印象的で、これはちょっとだけM-Baseな感じがするか?
7曲目、単調なテーマが印象的。ちょっとJohn Coltraneぽいイメージかな?個人的にはこの演奏好きです。
8曲目、この曲だけスピリチュアル感が希薄な楽曲で、この盤としては異彩ですが良い曲です。演奏です。
9曲目、Joe Sandersのアルコベースが印象的な、これもスピリチュアルに響く曲。
10曲目、ドラムが印象的でありながら、バリバリ吹くJure Puklのサックスが痛快な曲。これも良いです。

Jure Puklのサックスは、60年代頃のフリージャズの雰囲気を感じさせるんだと思います。フリーなのでオーソドクスということはないのですが、それでも新しさを感じさせるサウンドとスタイルというよりは、フリージャズの王道をいくようなサウンドと言う印象を受けるんですが、ちょっと偏向した聴き方をしてしまったかも。。
web検索すると、ポストSteve Colemanなんですよね。たしかに曲によってはSteve Colemanを彷彿とさせる部分もあるかなぁとは思いました。

Vijay Iyerは、全体のスピリチュアルな雰囲気にあわせた演奏をしているんですが、戸惑っているなんてことは決してないのですが、全体的にはしっくり馴染んでいるような印象はあまり感じられないですかねぇ。
6曲目とか8曲目とか部分的には聴きどころになる演奏はしていると思います。
Joe Sandersのベースは渋いです。音数がかなり少なめなのか、音量抑えめなのか、前面に出てくる場面はほとんどなく、必要最小限の音で全体を締めつけているような印象。
逆にドラムのDamion Reidは、打音で全体を埋め尽くすがごとくの音数の多さで攻め立てます。

この盤のハイライトは後半4曲にあると思います。この部分がとてもスリリングで興奮させられます。
前半だけ試聴して買ってないとしたら、ちょっともったいないかもしれません。
ベストは、後半4曲全部でも良いんですが、あえて8曲目としておきます。


Jure Pukl "Abstract Society" (http://www.amazon.co.jp/dp/B0088F28I6/)

この記事へのコメント