Donny Mccaslin "Casting For Gravity"
そして、"Declaration"を2009年のベスト(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58913084.html)に入れたくらいに入れ込んだ逸材となります。
"Recommended Tools" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a56289259.html)
"Declaration" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58695731.html)
"Perpetual Motion" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60386988.html)
今作のメンツは、以下の1ホーンカルテット+シンセサイザというオーソドクスな編成に、スパイスを利かせたような感じになります。、Tim Lefebvre、Mark Guilianaのリズムは前作からの踏襲。ピアノのJason Lindnerはもはやお馴染みの人と言えるでしょう。
シンセサイザのDavid Binneyは、SAXの人とは同姓同名異人だと思いますが。。本盤のプロデュースもしてます。
Donny McCaslin(Ts)、Jason Lindner(P)、Tim Lefebvre(B)、Mark Guiliana(Ds)、David Binney(Syn)
演奏曲は4曲めと6曲めが他の人の曲で、残りはDonny Mccaslinのオリジナルとなります。
1 Stadium Jazz
2 Says Who
3 Losing Track Of Daytime
4 Alpha And Omega
5 Tension
6 Praia grande
7 Love Song For An Echo
8 Casting For Gravity
9 Bend
10 Henry
シンセサイザの柔らかいサウンドにのって、サックスがスローなフレーズを吹くイントロからスタート、この調子だとフワフワした演奏か?と思った瞬間、とってもタイトなベースとドラムのリズムが入って、驚くくらいにアップテンポな演奏がスタートします。
この展開は最初ちょっと驚くのですが、曲が格好いいので聴き馴染むと、期待感を持って変化を楽しめるようになります。
このあとの曲もリズムが強めでドラムの音数が多い演奏が続いており、若干単調な雰囲気を感じさせるくらいにフュージョンなサウンドが続きます。
実際のところ、Jason Lindner、Tim Lefebvre、Mark Guilianaのトリオが電気楽器多めでハードフュージョンなバックトラックを作った上で、Donny Mccaslinが自身のアイデンティティ爆裂のソロをかましているという構図となります。
で、そのDonny Mccaslinのサックス自体が、Chris Potterもかくやというブローからフリーなアプローチまで含めて快調な演奏を聴かせてくれているので、これでいいじゃん的な部分がなきにしもあらず(笑)
これまで、フュージョンに近いサウンドという印象を持つようなサウンドでありながらジャズを色濃く感じさせた演奏という感じを受けていましたが、本作の印象はメカニカルな印象が強くなった分よりハードフュージョン色が強く出た演奏になってきたなと感じられます。
これは、バックの演奏がこれまでよりも電気音を多く起用していることによると推測され、数曲の音のイメージとか低音のエフェクトとかからはWayne Krantzの演奏を彷彿とさせるサウンドだなぁなんて感じたところで、David BinneyってやっぱりサックスのDavid Binneyなんじゃないかと思いいたってみたり..
ということで、前作よりフュージョン色が濃く出た作品となっていますが、演奏の力感自体は充分なものがあると認識しております。
ベストは、このアルバムの真骨頂ではないと思いますが、軽快でありながらちょっと大仰な6曲目にしておきます。
ちょっとPMG入ってるから好きなのかなぁ。。(笑)
Donny Mccaslin "Casting For Gravity"(http://www.amazon.co.jp/dp/B0090PX5VW/)