TOKYO ZAWINUL BACH "AFRODITA"

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坪口昌恭のリーダーユニットであるところの"東京ザヴィヌルバッハ"の新曲がリリースされました。
前作が"Sweet Metallic"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a52829346.html)なので、実に4年ぶりの新作ということになります。
この間に、菊地成孔がかなり有名になって多忙になってしまった関係(と言うのが真実だと思う)で、本作は1人での制作となっています。
TOKYO ZAWINUL BACHというユニットでは、"M"という自動変奏シーケンスソフトが奏でるリズムを土台に、好き勝手やることで音楽を作り出すというコンセプトのユニットとなります。
なんで、曲内でさまざまに変化するリズムはコンピュータが作り出したもので、その上でソロをとっているところが坪口さんということで基本的には間違いないはずです。(その後、切った貼ったはしてると思いますが..)

演奏曲は以下の通り。最後の8:30は有名なあの曲で、それ以外はオリジナルになります。
1 Nostalgica
2 Nomadic
3 Sagittarius
4 Conundrums
5 Tribal Junction
6 Missing-link
7 Rain Of Zero Nuclear
8 Pastel Yogurt
9 8 : 30

演奏ですが、1人になったからといって特段サウンドに変化が表れているというようなこともなく、実に見事な"東京ザヴィヌルバッハ"なサウンドが展開されます。
全体には、"東京ザヴィヌルバッハ"のバンドとしての"らしさ"と"坪口昌恭"個人としての"らしさ"がうまく融合されているような印象を感じるのですが、この双方のらしさってのの塩梅は、あまり自分でも明瞭に意識しているわけではないんですが、いろいろ聴いているからか自分の中では、TZBらしいとか、坪口さん個人ぽいなぁ みたいな意識を瞬間的に感じている部分があると思います。

サウンド面では、(大枠での)坪口ワールドであることが一目瞭然的によくわかるところでありますが、今作ではラップというかワードと言うか声をフィーチャした曲が多いような印象を感じています。
後半に行くに従って、今作としての新しいアイデアというか、これまでとちょっと毛色の違うような曲、演奏が増えて行くような5曲目がインタビューにある5語の4拍子をヒントにした曲。6曲目はスクラッチとミニマルな雰囲気の楽曲。7曲目は坪口名義のソロ作に近い演奏。8曲目は結構ポップです。
そして最後は遊園地サウンドを解体したところからスタートするエイトサーティ。
音を極力シンプルにしていながらとても格好良い仕上がりになっています。

全体的に、"東京ザヴィヌルバッハ"のアルバムとしてとても格好良い完成度の高い作品に仕上がっていると思います。
このアルバムも最近聴いてる頻度が高いです。
未聴盤、未文章化盤もそこそこあるのですが、てんで(新しいアルバム聴いてないから)筆が進んでない(汗)


ご本人さまのインタビューなんてのがありましたので、リンクを貼っておきます。バンドの命名の由来とか、このアルバムのタイトルの没案なんか出てて、楽しいです(笑)
http://www.jjazz.net/jjazznet_blog/2012/10/post-49.php


ベストは個人的には3曲目の雰囲気が好きです。でも以前からの曲の雰囲気に近い曲だと思います。


TOKYO ZAWINUL BACH "AFRODITA"(http://www.amazon.co.jp/dp/B0095VHE4K/)

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