Avishai Cohen "Triveni II"

イメージ 1

トランペットのAvishai Cohenの新作です。アルバムタイトルに""とついているように、このアルバムは同じメンツによる"Triveni"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59969144.html)というアルバムの第2集ということになります。
前作が2年前のリリースでした。参加作はいろいろあった記憶がありますが、リーダー作という意味ではなんと2年ぶりということになります。
が、録音は2009年12月17/18日となっているので、同じ時期に録音してあったものとなります。
それなら2年も開けないでもっと早くリリースすればいいものを..と思ってしまうのは(苦笑)

メンツは、当然ですが前作と同様の3人となります。
Avishai Cohen(Tp)、Omer Avital(B)、Nasheet Waits(Ds)

演奏曲は、オリジナルが4曲、ornette colemanが2曲、その他4曲の全部で10曲となります。
オリジナルが4曲という配分も前作と同様ってことになります。
1 Safety Land
2 B.R. Story
3 Nov. 30th(dedicated to my Mother)
4 Music News
5 Willow weep for me
6 Woody’n You
7 Portrait
8 Get Blue
9 Follow the Sound
10 Art Deco(Alternate take)

のっけから、リズムが希薄なベース、ドラムの上で気合の入ったトランペットのサウンドが飛び出してきて震えます。
Avishai Cohenのトリオ作品に期待したいサウンドが最初から飛び出してくるような印象で、これは相当なインパクトがあります。
この1曲曲はテーマは激しめですが、即興はちょっとトーンを落としているので、ここからはじっくりとトランペットのアドリブを楽しむような体制になります。
その後、リズムがしっかりした演奏にかわり、3分40秒あたりのところで"ウォゥウォゥウォウ"と掛け声が入るのですが、ここがなんとも格好良い。
2曲目もアップテンポのテーマから、この曲はアドリブもアップテンポを維持した演奏で、テンションが高く熱い演奏が繰り広げられます。
3曲目は単調なリズムのミニマルな雰囲気を醸す楽曲(dedicated to my motherでタイトルが11/30なので追悼の意味があるのかもしれないです。)だが、この時点で既にインターバルとして機能している。
4曲目がオーネットコールマンの曲で、これを短めに一気に演奏しきったところで、Willow weep for me、Woody’n Youと緩んだ演奏(正確には演奏が緩むのではなくお馴染みの曲で聴衆が緩む)で和みます。
その後、ミンガスのバラードをじっくり聴かせ、オリジナルを挟んで、オーネットコールマンを短く(コールマンがいずれも短い演奏ってのが..)入れ、最後は"Triveni"でも演奏していたドンチェリーの曲の別テイクで締めます。
前半が早めの演奏。中盤でお馴染みの曲。後半はスローな曲と言う流れになり、インパクトは前半にあるということになると思いますが、テンションはいずれも高めに維持された演奏なので最後までだれずに聴けると思います。

いわゆる管入りトリオの真骨頂をあますところなく表出したような演奏で、3者がそれぞれの持ち味をしっかり出し切った上で、3者のコラボレーションが高い次元で実現できているというか、満足度がかなり高いです。
さすがに、"The Trumpet Player"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a34243841.html)を先に聴いているので、この盤にそれ以上のインパクトを感じたわけではないですが、それでも満足度のかなり高い演奏をしっかりたっぷりと楽しませてもらいました。

ベストは、7曲目のバラードも実は捨て難いのですが、1曲目にしておきます。


Avishai Cohen "Triveni II" (http://www.amazon.co.jp/dp/B009439HBC/)

この記事へのコメント