田中邦和、林正樹 "Double Torus"

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この盤は、no trunksで行われている「ノミカイwithアルテック@国立NO TRUNKS」の2回目で聴かせてもらった盤です。
持ち込んだのが、プロデュースをした人?で、新品を持ってきてたのでその場で購入してしまいました。
ちなみに、そのときかかっていたのは1曲目でした。

メンツは下記2人となるのですが、両名ともディスコグラフィをチェックしましたが、私が聴いているアルバムにはまったく参加していないようでした。なんで初聴きとなります。
田中邦和(Ts)、林正樹(P)

演奏曲は以下の9曲。林さんのオリジナル1曲と、大半がジャズメンオリジナルという全9曲となります。
1 Item6,D.I.T. / Steve Swallow
2 Gottes Zeit ist die allerbeste Zeit, BWV 106 /Johann Sebastian Bach
3 Dewey square / Charlie Parker
4 Bye-ya / Thelonious Monk
5 Double Torus / 林正樹
6 Marionette / Lars Jansson
7 Morning Glory / Duke Ellington
8 Upa Neguinho / Edu Lobo
9 Silence / Charlie Haden

1曲目がsteve swallowの"Damaged In Transit"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a57851466.html)で2曲目が、ちょっと意表のバッハと、美しい旋律の静かな曲がオープニングとなります。
サックスの奏でる主旋律に寄り添うようにピアノが伴奏をつけるような演奏。寄り添うといっても、完全に従うような関係ではなく、サックスのサウンドに敏感に反応して演奏の表情を変えていくピアノ、それに呼応して音色フレーズを変幻自在に変化させるサックスとのコラボレーションは、実にスリリングかつエキサイティングに響きます。曲自体は美旋律の静かな曲にも関わらず。。

3曲目がCharlie Parker、4曲目がThelonious Monk。テンポがちょっと早めの演奏になると、サックスの変幻自在の音色の面白さ(田中さんの演奏の特徴の1つだと思う)、ピアノのフレーズの緩急の反応の速さ(林さんの演奏では、このフレーズの緩急の制御が楽しい)が混然一体となって、曲の表情がころころと変わっていくさまが、息をつく間もないような楽しさを醸します。

全体に、じっくり聴かせる曲をじっくり聴かせる演奏が多めとなります。
ピアノとサックスのデュオってことで、役回りとしてピアノがリズムと伴奏、サックスが主旋律を奏でるような分担になる場面が多いのはセオリー通りということになると思いますが、演奏の中で見せる表情はセオリー通りとはとても言えない実に表情豊かなもので、楽しくもスリリングでエキサイティングな演奏は一聴の価値ありだと思います。

ベストは8曲目になると思います。


田中邦和、林正樹 "Double Torus"(http://www.amazon.co.jp/dp/B008OI71AW/)

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