Donny McCaslin "Exile And Discovery"
が、当時あまり冒険心もなく、どうしようかなぁなんて思いながら結局1枚も買わずに、いつのまにか店頭から消えていました。
最近になって中古店を眺めていても、この独特のジャケのCDってあまり見かけないので、皆さん大事に仕舞っているのか、あるいは全然売れないので、破棄されまくっているのか
某中古店を眺めていたら、見知った名前(Donny McCaslin)を見つけてとりだしたら、この盤でした。
今見ると、なかなか興味深いメンツが並んでいたので、思わず買い込んできた次第であります。
メンツは以下の通り。4人とも現在では知った名前のカルテットとなります。
Billy Drummond(Ds)、Bruce Barth(P)、Donny Mccaslin(Ts)、Ugonna Okegwa(Bass)
演奏曲は下記10曲。3曲のオリジナルと、大半がスタンダード、ジャズメンオリジナルという布陣となります。
1 Along Came Betty
2 Exile and Discovery
3 Isfahan
4 Mountain Mama
5 Tenderly
6 Etude #3
7 Speak Low
8 Prayer for Frances
9 Bye-Ya
10 Etude #4
演奏は4ビート基調の曲が多く、Donny McCaslinがちょっと崩し気味にテーマを演奏したところからソロに突入していくという感じの演奏で、曲とその構成自体はそう実験的なところもなくまっとうなんですが、それだけにソロでの各人の演奏が際立って
特に、Donny McCaslinのソロが圧巻で、4ビートで暴れまくってこれだけエキサイトさせてくれる演奏ってのもそうそうないんじゃないか?と思わせる気持ち良さがあります。
以前の文に「様々なテクニックを駆使して抑揚に富んでいながら、過剰な演出にはならず、でもしっかり訴えかけてくるものがある」なんてのがあるのですが、まさにそういう演奏であります。
ピアノのBruce Barthは"live at smalls"で聴いていますが、こんなに楽しい演奏をするピアニストだったかなぁとあらためて実力の高さを感じ入ってます。
3曲目のIsfahan は後の"Recommended Tools"でも再演しているんでお気に入りのバラードなんでしょう。
実にいやらしいとろっとした演奏を聴かせてくれています。再演時よりも重厚感があってこっちの演奏のほうが良いと思います。個人的には好きです。
この盤を聴いてしまうと、最近のDonny McCaslinは、(アルバムを聴いてる範疇では)当人がまっとうなジャズに飽きて新機軸を模索中なんだろうかと勘繰ってしまいますが、4ビートをがっつり演奏してくれれば聴衆は充分満足できる実力を持っているということをしっかり認識しました。
という意味では、そろそろライブ盤を出してくれるととっても嬉しい事態になるんですけどね。
smallsで演奏しているなら、"live at smalls"がでれば、このアルバムに近い演奏をしてくれそうで期待できます。
ベストは、3曲目も4曲目も7曲目も魅力的で。。良い曲多いんですが1曲目にしときます。
4ビート上でののDonny McCaslinの魅力がたっぷり出ていると思います。
過去最近作を4枚聴いているので一応列挙しておきます。
"Recommended Tools"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a56289259.html)
"Declaration"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58695731.html)
"Perpetual Motion"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60386988.html)
"Casting For Gravity"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61587016.html)
Donny McCaslin "Exile And Discovery"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00AQVFL5W/)
この記事へのコメント