林栄一 "Mazuru"
中央線ジャズの一翼を担う、アルト奏者であるところの林栄一さんの初リーダーアルバムであり、かのオーマガトキレーベルのジャズの1枚目のアルバムでもあるところの"Mazuru"であります。
日本人ジャズを聴き始めたのが、21世紀になる前後くらいだと思いますが、その頃から渋さ知らズも聴いていたのですが、なぜだか林さんのアルバムを買うことを完全に失念(無意識に避けていた?)していたようで、林栄一名義のアルバムってものを全然買っていませんでした。
"中央線ジャズ"を聴いている身としてはこれでは完全な片手落ちであると意を決して入手を誓うのでありますが、とはいっても、今やこの辺のアルバムを入手しようとしてもなかなか難儀なところがありまして長い目で悠長に中古漁りをしていればそのうち手に入るとは思いますが・・・
ということ(経緯、略)で、音源だけの入手はかないましてようやくしっかりと聴く機会を得られました。
メンツは以下の通りで、2ベース、2ドラム、1ギターという変則な編成となります。
林栄一(As)、石渡明廣(G)、川端民生(B)、藤井信雄(Ds)、是安則克(B)、楠本卓司(ds)
演奏曲は下記9曲。8曲が林さんのオリジナル、1曲が石渡さんの曲となります。
1. スモーキー・ゴッド
2. スカイ・ミラー
3. コック・ウイング
4. ビッグ・ホール
5. マズル
6. インサイド・オブ・ジ・アース
7. ペンタゴン
8. サークル
9. ナーダム
中央線ジャズ本(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a53184202.html)にも記載がある通り、このアルバムを作るときに意識していたのが、Ornette Colemanの"Virgin Beauty"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a44756991.html)だったそうで、編成面での影響もさることながら脱力系ミニマルなリズムの上でアルトが吠えるような図式も、相当に影響を受けていると感じられます。
特に、1曲目、3曲目、5曲目、8曲目が、Ornette Colemanの影響下にある演奏になると思いますが、正直、林さんの昨今の渋みのある演奏に馴染んだ身としては、オーネット調の演奏ってのは、かなり面喰いました。
曲調としては、石渡さんのギターサウンドの影響力が強い印象で、2ドラム、2ベースの強力無比なリズムと相まって、痛快な演奏が楽しめるのは間違いありません。
が、それにつけても、林さんの音色もフレーズもOrnette Coleman感の強い演奏ってのが..
逆に2曲目のスローな演奏では、最近の林さんに通じるところが感じられる滋味あふれる演奏で、違和感なく聴いているのは、刷り込みのせい以外の何物でもないんでしょう。
そして、最後が有名曲の"ナ―ダム"で締めくくられます。これが初演になるんでしょうか?ドラムのリズムが先導する、ちょっと勇ましい感じをだした演奏となっています。
最近のアルバム"ガトスミーティング"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61708035.html)でも同曲を演奏していますが、あっちが所帯なりのホーン主導で、テーマはもうちょっとユーモラス。ソロがブギョーとなっているところが時代を感じさせます。
このアルバムがリリースされたのが1990年。1990年代というと、ジャズ的には「停滞の90年代」なんて言われることもあるようですが、実は、日本では、中央線沿線では、この年から怒涛の飛躍と拡大が始まった!! なぁんて、偉そうに書いてみますが、巷で言われているほどそんなに停滞していなかったんじゃないかと、この盤を聴いて感じました。 ん?、停滞は米国の話ってことなのか??
林栄一 "Mazuru"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00005648I/)
日本人ジャズを聴き始めたのが、21世紀になる前後くらいだと思いますが、その頃から渋さ知らズも聴いていたのですが、なぜだか林さんのアルバムを買うことを完全に失念(無意識に避けていた?)していたようで、林栄一名義のアルバムってものを全然買っていませんでした。
"中央線ジャズ"を聴いている身としてはこれでは完全な片手落ちであると意を決して入手を誓うのでありますが、とはいっても、今やこの辺のアルバムを入手しようとしてもなかなか難儀なところがありまして長い目で悠長に中古漁りをしていればそのうち手に入るとは思いますが・・・
ということ(経緯、略)で、音源だけの入手はかないましてようやくしっかりと聴く機会を得られました。
メンツは以下の通りで、2ベース、2ドラム、1ギターという変則な編成となります。
林栄一(As)、石渡明廣(G)、川端民生(B)、藤井信雄(Ds)、是安則克(B)、楠本卓司(ds)
演奏曲は下記9曲。8曲が林さんのオリジナル、1曲が石渡さんの曲となります。
1. スモーキー・ゴッド
2. スカイ・ミラー
3. コック・ウイング
4. ビッグ・ホール
5. マズル
6. インサイド・オブ・ジ・アース
7. ペンタゴン
8. サークル
9. ナーダム
中央線ジャズ本(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a53184202.html)にも記載がある通り、このアルバムを作るときに意識していたのが、Ornette Colemanの"Virgin Beauty"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a44756991.html)だったそうで、編成面での影響もさることながら脱力系ミニマルなリズムの上でアルトが吠えるような図式も、相当に影響を受けていると感じられます。
特に、1曲目、3曲目、5曲目、8曲目が、Ornette Colemanの影響下にある演奏になると思いますが、正直、林さんの昨今の渋みのある演奏に馴染んだ身としては、オーネット調の演奏ってのは、かなり面喰いました。
曲調としては、石渡さんのギターサウンドの影響力が強い印象で、2ドラム、2ベースの強力無比なリズムと相まって、痛快な演奏が楽しめるのは間違いありません。
が、それにつけても、林さんの音色もフレーズもOrnette Coleman感の強い演奏ってのが..
逆に2曲目のスローな演奏では、最近の林さんに通じるところが感じられる滋味あふれる演奏で、違和感なく聴いているのは、刷り込みのせい以外の何物でもないんでしょう。
そして、最後が有名曲の"ナ―ダム"で締めくくられます。これが初演になるんでしょうか?ドラムのリズムが先導する、ちょっと勇ましい感じをだした演奏となっています。
最近のアルバム"ガトスミーティング"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61708035.html)でも同曲を演奏していますが、あっちが所帯なりのホーン主導で、テーマはもうちょっとユーモラス。ソロがブギョーとなっているところが時代を感じさせます。
このアルバムがリリースされたのが1990年。1990年代というと、ジャズ的には「停滞の90年代」なんて言われることもあるようですが、実は、日本では、中央線沿線では、この年から怒涛の飛躍と拡大が始まった!! なぁんて、偉そうに書いてみますが、巷で言われているほどそんなに停滞していなかったんじゃないかと、この盤を聴いて感じました。 ん?、停滞は米国の話ってことなのか??
林栄一 "Mazuru"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00005648I/)