Hopper's Duck "Far Out"
日本人ジャズを聴き始めたのが、21世紀になる前後くらいだと思いますが、その頃から渋さ知らズも聴いていたのですが、なぜだか林さんのアルバムを買うことを完全に失念(無意識に避けていた?)していたようで、林栄一名義のアルバムってものを全然買っていませんでした。
グループ名は、当時流れていたデニスホッパーがアヒルの玩具とお風呂に入る(入浴剤?の)CMから取ったということですが..
メンツは、以下の通りのサックストリオという意欲的な構成となります。
が、川端さんは2000年、古澤さんも2011年にこの世を去ってしまっています。
正直なところ、邦人ジャズは、管楽器奏者主体に聴いていた感じがあるので、ベース、ドラムの人ってほとんどわかっていないと言う体たらく。
ここに参加の両氏も、もう生では聴けないと思うと...合掌
林栄一(As)、川端民生(B)、古澤良治郎(Ds)
演奏曲は以下の通り。全部オリジナルで良いと思います。
1. ファー・アウト
2. ホッパーズ・ダック
3. 夜
4. ブラザー
5. 地の記憶
6. トゥモロウ,ネクスト・マンス,ネクスト・イヤー,ネクスト・ライフ
7. スリー・ダック・ナイト
8. バーズ&ビース
9. ペティット・フルール
サックストリオというと、ベースとドラムが作り出すリズムの上でサックスが暴れまわるという構図と言う意味では、大きく違わないことになります。 なりますが、
欧米のそれは、ベースとドラムが作り出すリズムに空間を活かすようにリズムを構築し、サックスはその空間の間隙をぬったように暴れまわると言う印象になるのですが、・・・。
この盤の川端さん、古澤さんは、空間を埋め尽くしていくようにベースとドラムを奏で、林さんのサックスはそのリズムの洪水の上に乗っかって暴れまわるような印象を感じさせます。
その林さんのサックスプレイは、フリーキーでありながら、しっかりと哀愁を感じさせるもので、この辺から中央線系の王道的なサウンドであることをまざまざと見せつけられてる。
先日紹介の"MAZURU"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61780040.html)では、Ornette Colemanを過剰に意識したような演奏の印象が強かったのですが、それから6年経過して録音された本作では、個人的な感想ではありますが、最近の林さんの演奏とはまだ差異があるように感じられますが、それでも充分に"あぁこの辺の感じは林さんだなぁ"と思わせるところはしっかり出てきていると感じられました。
川端さんも古澤さんも、存命中に生演奏には接っすることはできなかったのですが、・・・。
古澤さんなんて、写真では気の良いおっさんのような風貌ですが、奏でられるドラムは鬼気迫るものがあるというか、実にパワフルなドラムを聴かせてくれています。
川端さんのベースも、一種独特というか一筋縄ではいかないような演奏で、変に孤高感を感じさせるというか変な魅力を醸してくれてます。
この同じメンツの映像を見つけたんですが、くわえタバコでベースを弾いている姿はなんか格好よかった(笑)
あらためて、邦人リズム陣を意識して演奏を楽しまねばと思った次第であります。
Hopper's Duck "Far Out"(http://www.amazon.co.jp/dp/B0000564DF/)
この記事へのコメント