Jeremy Pelt "Water & Earth"

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Jeremy Peltの新譜です。
前作が、昨年3月紹介の"Soul"なので、約1年に1枚のペースができている。。というのは前作の文章でもしっかり書いてありました。
ただ、メンツは大幅に刷新されてまして、前作までがレギュラーバンドで、こっちは大所帯なので企画ものということなんだと思います。
大所帯なメンツは以下の通りで、2人のキーボード(fender rhodes)が目立ちます。Vocalが3人入りますが2曲に留まります。
Jeremy Pelt(Tp)、Roxy Coss(Ts,Ss)、Burniss Earl Travis(B)、Dana Hawkins(Ds)、Jeffery Haynes(Per)、
David Bryant(fender rhodes,org,p)、Frank LoCrasto(fender rhodes,prophet)、
Ra-Re Valverde(Vo:6)、Angela Roberts(Vo:1)、Fabiana Masili(Vo:1)

演奏曲は、以下の9曲。6曲目がVocalの人と共作。9曲目がStanley Clarkeで、残りがオリジナルとなります。
1 Reimagine the World
2 Mystique
3 In Dreams
4 Boom Bishop
5 Meditations on a Conversation We Had
6 Stay
7 Pieces of a Dream
8 Prior Convictions
9 Butterfly Dreams

演奏ですが、冒頭からキーボードのサウンドが前面に出てきているところで、これまでの作品とは違うなという感触を得、その後の展開からこのキーボードのサウンドが全体の雰囲気を形成しているんだなと思わせる演奏。
そしてVocalが入ってくるので、昨今流行りのRobert Glasperを意識したか?と一瞬疑う1曲目
2曲目はサックスから入りますが、全体の雰囲気はやっぱりキーボードのサウンドが担っていると感じさせるもの。
と、キーボードが全体のサウンドを形成したところに統一コンセプトを感じさせ、曲調もキーボード(fender rhodes)を引き立てるような、ちょっとゆったり目のものが多く演奏されています。
が、雰囲気としては、若干軽め(重量感希薄)なれど最近のNYサウンドの範疇に入る(過激じゃないけど)とんがった演奏だと認識してます。

6曲目が変な演奏で、キーボードの音程が揺らぎまくって右左に飛んで、それをドラムがまとめ上げた、その上にアンニュイなVocalが乗っかるのですが、不思議な雰囲気でありながら不思議に惹かれる演奏です。

聴いていて耳が惹きつけられたのがドラムのDana Hawkinsで、全体を通して良いドラムをたっぷりと聴かせてくれています。特に4曲目での演奏が惹かれます。

全体に、しっかり作られた完成度の高いアルバムだと思います。若干地味な雰囲気にはなると思いますが、聴き飽きさせないしっかりとしたアルバムに仕上がっていると思います。

ベストは8曲目で、電子音で作られたビートを根底にしてベースが淡々と同じフレーズを奏でる上で、管のソロが朗々と奏でられるんですが、その裏で暴れるドラムが気持ち良い。


Jeremy Pelt "Water & Earth"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00AIA890K/)

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