Jonathan Kreisberg "One"

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Jonathan Kreisbergのソロ作品となります。
Jonathan Kreisbergは、2011年に年間ベストに入れた"Shadowless"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60318377.html)以来のリリースとなります。

ソロ作品なので、メンツは1人だけ。
Jonathan Kreisberg(G)

演奏曲は、オリジナルが2曲、Baden Powell, George Gerswin, Leonard Cohen, Wayne Shorterにスタンダード等を加えて全部で11曲となります。

01 Canto de Ossanha
02 Summertime
03 Without Shadow
04 Skylark
05 Caravan
06 Tenderly
07 My Favorite Things
08 Hallelujah
09 E.S.P.
10 I Thought About You
11 Escape From Lower Formant Shift

1曲目、低音部でリズムを奏でながら、中高音で旋律を奏でる。この低音と中高音で繰り広げられる(1人)競演がなかなか秀逸で気持ち良い演奏。
2曲目、おなじみのSummerTimeをエレキで演奏。旋律はごくオーソドクスに奏でているが、伴奏部が気持ち良く歌ってくれているのが気持ち良い。
3曲目、パイプオルガン調のサウンドで奏でられるオリジナル。バッハのパイプオルガン曲のような曲をパイプオルガンのようなサウンドで奏でているので、これならバッハそのものを演ってもおもしろかったかも。
4曲目、アコギで奏でるSkylark。滋味深い演奏とでも言えばいいんでしょうか。しっとりと聴かせてくれます。
5曲目、お馴染みのCaravan。これも伴奏部分の演奏がしっかりしていて
といった感じで、全体にスローめな曲を、原曲に忠実な旋律で奏でていくような構成となります。
旋律は大きく崩さず原曲に忠実で、伴奏部に少し変化を持たせることで個性を出しているような印象となりますが、ギターの上手さを際立たせていることは間違いないと思います。
で、9曲目のWayne Shorterはアコギで、とつとつとリズムを刻むアコースティック感を際立たせた演奏。
Wayne Shorterのミステリ感というよりは、牧歌的な雰囲気を感じさせる仕上がりで、ちょっと面白い。
最後のオリジナルが、ギターシンセで奏でられる、ちょっとおどろおどろしいサウンド、これまでのスタンダードを含むお馴染みの旋律からするとかなり異色なサウンドで締めくくられます。

全体に録音も良くて、ギターの弦の響きが美しく録られているので、あまりジャズのギラギラしたところを意識せずに、ギターサウンドを存分に楽しむくらいのスタンスで聴くのが良いように思います。

とはいえ、Jonathan Kreisbergに望むのは、スタンダードをしっとりと奏でるような演奏というよりは、温度感の高いところでの演奏にあるので、次作はトリオくらいの編成でもっとちょっと熱い演奏を繰り広げてもらいたいというのが正直なところであります。

ベストは、8曲目のハレルヤですかねぇ。厳粛的で牧歌的で美しい演奏から、後半でキーを崩して変化を持たせる演奏が、個人的には惹かれるものがあります。


Jonathan Kreisberg "One"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00A92MGEM/)

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