Rafiq Bhatia "Yes It Will"

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この盤はジャズ評論家として売り出し中の柳樂さんに教えてもらった盤で、柳樂さんは益子さんに教えてもらったと申しておりました。
で、ジャズ批評の"マイ・ベスト・ジャズアルバム 2012"でも益子さんは、この盤を挙げてました。

参加メンバーは多いので全部は書きません(汗)
Billy HArt,Vijay Iyer,なんて名前が見えてます。
ちなみに、リーダーのRafiq Bhatiaはギタリストです。

演奏曲は以下の8曲。最後のA Change Is Gonna ComeがSam Cookeで他はRafiq Bhatiaのオリジナルとなっています。
1 Background Music
2 Open Spaces
3 Open Minds
4 Annihilator Gators
5 Try
6 Endogenous Oscillators
7 Once
8 A Change Is Gonna Come


1曲目は、曲中でリズムパターンが変化してそのたびに曲の雰囲気が変わっていき、そしてフレーズの要所で電気処理を加えたサウンドをいれることで浮遊感を加えたような内容で、そのさまはちょうどTZB(Tokyo Zawinul Bach)を聴いているような感覚に近いと言うか、同様の快感を感じています。
2曲目は、テンポはぐぐっとおとしたスローな曲で、おおかたがベースソロが延々続く演奏なのですが、その後ろで通奏的に流れるリズムを際立たせるような感じで、前面のベース聞いてるより後ろのリズムを聴いているほうが快感を得られると言うか。。
3曲目は、トロンボーン、サックス、ピアノと前面でソロをとる曲なのですが、ここでは前の曲から翻ってベースのフレーズ(=リズム)を聴いているのが面白い演奏となります。
4曲目は、ギターが奏でるOrnette Coleman調のミニマルなリズムが、木管楽器に引き継がれと、これがテーマなのかリズムなのかと一瞬悩むけど、その前にその気持ち良さにヤられてます。
中盤でのギタートリオでベースソロ->ギターソロな部分も不思議な雰囲気を醸しながら妙に気持ち良い。
5曲目は、M-Baseを彷彿とさせる演奏で、全体にメカニカルな雰囲気を持った音作りと感じてます。
6曲目は、とってもBill Frisellを感じさせる曲と演奏でした。
7曲目は、弦楽四重奏が入ったちょっと牧歌的な気分を感じさせるんですが、いかにも現代ジャズという雰囲気すらも感じさせる楽曲。

ということで、この盤のたいがいの曲は複雑でありながら気持ち良いリズムを楽しむのが吉だと感じています。

基本的な語法としてはジャズということで間違いなく、ソロも頻繁に交えた演奏はジャズ者として特に違和感を感じるようなことはないのですが、実情は非常に作り込まれた演奏と認識してます。ですが頭でっかち感はほぼ皆無で、さらにFUSION感というかテクニックに頼った演奏でもない。
どちらかというと、昨今のビッグバンドの演奏に感じる気持ち良さに近いものを感じるようなアルバムという言い方があっているんだと思います。

ベストは、個人的には4曲目の雰囲気が好きです。


Rafiq Bhatia "Yes It Will"(http://www.amazon.co.jp/dp/B0096PS6XI/)

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