Antonio Sanchez "New Life"

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Antonio Sanchezも良いペースでアルバムをリリースできている印象がありましたが、実際は2年ぶりの新作となるようです。前々作が2007年、前作が2010年でした。ということは、コンスタントに2~3年に1枚はリリースできているので、それはそれで良いペースかもしれません。
 "Migration"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a49303336.html)
 "Live In New York At Jazz Standard"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59985118.html)
前作がピアノレスの2管カルテットでの2枚組ライブで、今作が2管のクインテットのスタジオ作となります。

メンツは、以下の通り。最近イキの良い面々をしっかりそろえた面容となります。さらに1曲ボイスが入ります。
Dave Binney(As)、Donny McCaslin(Ts)、John Escreet(P)、Matt Brewer(B)、Antonio Sanchez(Ds)、Thana Alexa(Vo:3)

演奏曲は、全部オリジナルの全部で8曲となります。
1 Uprisings and Revolutions
2 Minotauro
3 New Life
4 Nighttime Story
5 Medusa
6 The Real McDaddy
7 Air
8 Family Ties

1曲目。冒頭、鐘の音は入りませんが(笑)、なかなかにスピリチュアルな雰囲気を持ったイントロからのスタートです。
テーマになると、スピリチュアル感はしっかりあるがそう難解な感じはなくひと安心。でも7拍子。
Donny McCaslinのソロからDave Binneyに移る瞬間のDave BinneyのサウンドはPat Methenyを意識しているなぁと、一瞬ニヤリ。
2曲目。ベースの単調なサウンドに導かれて2管がテーマを奏でる導入から、ちょろっとベースが動き、また元に戻るという、ベースに引きずられる疾走感と、キーボードのソロがなかなかに格好良い。
3曲目。これがタイトル曲になるが、ピアノの単調なリズムでの導入となるが、ここにだけ入るVoiceが出てくるとこれが実にPedro Aznar的で、一気にPMGな感触を醸しだしてくる。その後管が入ってダイナミックな演奏になり、と大仰な展開の超大作な作品でありました。
4曲目は、うって変わって、3拍子のバラード。美しい旋律がしみる。
5曲目は、最近の曲の流行りの1つだと思うが、2管による単調な音の繰り返しによるテーマになる曲。
その速度感から2管とも、バリバリ吹きまくるところが快感(笑)

と言う感じで、良い塩梅で前面をつかさどる2管。要所を抑えつつ、ソロも見事なサウンドを繰り出すピアノ。
全体の厚みを過不足なく足しているベース。そして、ドラムが全体をしっかり煽りつつまとめ上げる見事な役割を果たしていて、全体のバランスが見事に整ったサウンドが作り上げられているなと、ひしひしと感じます。

このアルバムが、これまでのAntonio Sanchezのベストになると思いますが、まだリーダー3枚目なので、今後がまだまだ期待できるってことにほかなりません。


ベストは3曲目というのが一般的見解だと思いますが、個人的には、なんだか8曲目が好きなんですよねぇ..

Antonio Sanchez "New Life"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00AYJCGAE/)

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